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2014年11月19日 (水)

ズービン・メータ氏の変化~マーラー交響曲第5番から

Eテレで、先ごろ来日したイスラエル・フィルによる
マーラーの交響曲第5番他が放送された。

メータ氏のこの曲の最初の録音は1976年の
ロサンジェルス管弦楽団とのもので、英デッカの優れた録音
にも増してモノ凄く速いテンポで押しまくる演奏だった。
まるで、
「どうだい、こんなに速いテンポでこの曲を演奏できるんだぜ」
とオケの高性能をアピールしているかのような演奏だった。

その後、常任となったニューヨーク・フィルと1989年に再録音
しているが、私は昔1度聴き、「悪くは無いけど何の個性も無い
ので、これならロスフィルとの旧盤のほうがいいな」
と思った記憶がある。

あれはまるで、
「格上のニューヨーク・フィルの常任にはなったけど、
  街自体は嫌な街だな(と実際思っていたらしい)
  とでも言っているような演奏」
だった。

もちろんマーラーの5番とは関係ないので、
私の揶揄的な喩(たと)えに過ぎないが。

この日の演奏は終始余裕あるテンポと身ぶりで、
若いころの殺気ばしったような鋭角的な棒から随分変化
していた。

もちろんこれは イスラエル・フィルという、
ベルリン・フィルやシカゴ交響楽団にも負けない
第1級の名人オケだからということはあるけれど。

メータ氏はインド生まれなので、アジア人ということ
からか親日家でも有名で、
「3.11」のチャリティ演奏会をN響と
2011年4月10日に行ったことは記憶に新しい。

あれは、意に反してフィレンツェ歌劇場公演が中止になり、
それでは、と、上海公演まで空いたスケジュールの間に、
日本のオーケストラを指揮して被災者支援の
チャリティ・コンサートを開けないものかと考えたが、
そのときは実現できず、そのときの無念の気持ちをもって
ようやく
「東京・春・音楽祭 東北関東大震災 被災者支援
  チャリティ・コンサート」
として開催したものだった。


なお、今日のTV放送での5番の演奏直後は
一瞬間が空いてから歓声と拍手が起きたのは良かったが、
アンコールの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲が
終わるやいなや間髪を入れず実に「下品なブラヴォー」が
起きたのは興ざめだった。

あんな下品なブラヴォーを叫ぶ人は他のどの国の
コンサートホールにも1人もいないだろう。
メータ氏も一瞬ギクリとし、苦笑していた。

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