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2014年9月26日 (金)

The Chorus Plus Ⅱ ~作曲者全員来場     意欲的な内容に拍手

昨年、サントリーホール小ホールにて行われ好評だったという
 『The Chorus Plus』が、そのⅡとして、
紀尾井ホールにて開催された。

一般社団法人 日本作編曲家協会の会員が中心となって行われる
コンサート。

この企画コンサートの特色は少なくとも2つある。

1つは、演奏される曲目は、出演者それぞれのオリジナル合唱曲
で、合唱にプラス何か別の楽器を同時にからめた作品である
という点。
すなわち、合唱とピアノという一般的な組み合わせだけでなく、
クラシックギター、トロンボーンなど様々な楽器との組み合わせで
作曲されている点が非常にユニーク。
楽器でなくともよく、詩を伴う曲も対象となる。

もう1つは、演奏される曲の作曲者が来場される、という点だ。
これはユニーク。
名前や写真等でお顔は知っているが、直接拝見するのは初めて、
という方が今回も多数いらっしゃった。
企画の「ウリ」かもしれないが、とても良い「ウリネタ」だと思う。

司会進行が、企画者で作曲家の猿谷紀郎さんと、
なんとNHKの有働由美子アナ。
前回もそうだったらしい。


演奏された曲は次のとおり。

1.木下牧子 「ソルシコスの夜」 詩=北園克衛
    ギター=鈴木大介
    指揮=栗山文昭 合唱=栗友会

2.武永京子 「新訳ホタルの光」 詩=Robert Burns
    指揮=栗山文昭 合唱=栗友会

3.Ramon Pagayon. Santos 「VENIET DOMINUS」
     チェロ=諸岡由美子
     指揮=西川竜太 合唱=暁

4.三枝成彰 「信濃川賛歌」より
 (1)良寛さん あるがまま 詩=柳沢京子
 (2)信濃川に生きる    詩=柳沢京子
    エレクトーン=清水のりこ
    指揮=栗山文昭 合唱=栗友会

5.一柳 慧 「詩の中の風景」Ⅰ より
 (1)森の若葉  詩=金子光晴
 (2)太陽の光を提灯にして  詩=石垣りん
    チェロ=諸岡由美子
    指揮=西川竜太 合唱=空(くう)

 (休憩)

6.北爪道夫 「PIPAPO」
    クラリネット=西澤春代
    指揮=西川竜太 合唱=暁

7.渡辺俊幸 「彼方の光へ」
    チェロ=諸岡由美子
    ピアノ=矢田信子
    指揮=栗山文昭 合唱=栗友会

8.山下康介 「初夏のせせらぎ」
    トロンボーン=佐藤洋樹
    指揮=栗山文昭 合唱=栗友会

9.小六禮次郎 「話して」
    指揮=栗山文昭 合唱=栗友会

10.湯浅譲二 「ふるさと詠唱」より
     「ふるさとへの手紙」 詩=三谷晃一
    ピアノ=篠田昌伸
    指揮=西川竜太 合唱=暁


作曲家の顔ぶれも、いわゆる商業音楽(実用音楽)系の
作曲家から尾高賞を何度も受賞されているような
現代音楽畑の巨匠まで、幅広い作風の作曲家が登場。


1は昨年の第1回の企画のために書かれた作品で、再演。
 女声曲。しっとりした曲。

2は、混声5声のア・カペラによる作品で、今回が初演。
 親しみやすい曲。

3は1941年生まれのフィリピンの作曲家
 ラモン・パガヨン・サントスさんの作品。
 印象的な内容で、大きな拍手を受けていた。

4は、清水のりこさんによるエレクトーン演奏とのもので、
 ちょっとロックぽくて面白かった。
 最近の三枝さんはやや奇想天外な曲想が多いのかもしれない。

5の一柳さんのは意外な曲想だった。挨拶の中でも、
  「作曲家は、作風が全く変わらない人と、
  時代とともに変化する人の2つのタイプがあると思うが、
  僕は後者」、とおっしゃっていたとおり、
  「前衛的」という一柳さんのイメージとは全く異なる
  非常に美しい、ある意味オーソfドックスな手法による作品で、
  それゆえかえって強い印象を受けた。

6は今回初演作品で、歌詞は無く、女声による破裂音と摩擦音を
 イメージした発声が入り乱れる作品。

7は、昨年に演奏された作品の再演で、合唱プラスチェロとピアノ
 という編成で書き下ろした『彼方の光へ』という曲。
 世界の平安を願う祈りを込めた美しい楽曲。

8も昨年に演奏された作品の再演で、
 トロンボーンのソロと合唱というユニークな組み合わせ。
 内容も親しみやすく、とても良かった。

9も、昨年に演奏された作品の再演で、歌詞無しのア・カペラ曲
 だが、合唱団はステージ上に普通にならぶのではなく、
 3人前後ずつの10組が小さな輪を作ったかたちで立つ。
 よって当然、個々の顔が向く方向はバラバラというユニークな
 形態で歌われた。

10は、湯浅さんが1982年に(当時の)
 福島県立 安積女子高等学校 (現在は共学になり
  安積黎明高等学校) のために書いた作品で、
 ピアノを伴奏としてではなく、女声合唱とピアノで成立
 する曲、という思い出書かれた作品。


私個人としては、5の一柳さんの作品と、
8の山下さんの作品が特に気に入った。

各作曲家の挨拶の中で、小六さんがおっしゃっていたように、
もっと客が入ってよい演奏会。
まだまだ知られてない企画。

かく言う私も、エレクトーンの清水さんがフェイスブックで紹介
されていたので初めて知ったので、
清水さんが紹介されていなかったら知らないでいた。

今後も継続されていく企画なので、是非、多くの方々に
聞いていただきたい内容のコンサートだ。


下記ユーチューブは昨年6月の第1回開催の様子
http://www.youtube.com/watch?v=Qg1UiOg7_Lw

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