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2014年3月26日 (水)

坂 茂さん プリツカー賞(建築のノーベル賞)を受賞 役に立つ建築~被災地を積極支援

建築家の 坂 茂(ばん しげる)さんが、建築界のノーベル賞と
言われるアメリカのプリツカー賞の受賞が決まった。
同世代として誇らしい。

同賞を主催するハイアット財団は、坂氏について、
 「東京とパリ、ニューヨークに建築事務所を構える坂氏は、
  建築の分野では類まれである。彼は優雅で革新的な
  作品を個人客のために設計し、同じ発明的で工夫に富んだ
  設計法を自らの膨大な人道活動に用いている。

  20年にわたって坂氏は世界中の自然災害や人災の
  現場へ旅をし、地元の市民やボランティア、学生とともに
  働き、簡素で威厳があり低費用で回収可能な避難所や
  地域社会の建築物を被災者たちのために設計し建造した」

 「創意工夫に富んだ設計を顧客に対してだけでなく、
  人道的取り組みの中でも広く行ってきた。
  20年間、世界中の被災地を回り、住民らと協力して
  低コストで再利用可能なシェルターや住宅を設計・建築した。
  称賛に値するプロフェッショナル」

とコメントした。

坂さんはいわゆるアート的な建築ももちろん創作するが、
被災地での意外で素朴な素材を基に、
実際に急きょ人々が住む、それも快適な物件を造ってきた
ことでも有名だ。

94年、ルワンダ難民のために、紙の筒である紙管を柱にした
シェルターを建築。

阪神大震災では神戸市内に、紙管を柱にした仮設住宅や
教会などを建築。

2011年2月のニュージーランド地震では、
クライストチャーチの損壊した大聖堂に代わる
 「紙の大聖堂」を建設。

東日本大震災では、各地の避難所でプライバシーを守る
間仕切りを設置したり、
女川町では海上輸送用コンテナを重ねた仮設住宅を
造り評判を呼んだ。

こうした活動を開始するきっかけとして、
こう考えたからだという。

 「建築家としてのキャリアをスタートしたときに失望を感じた
  ことがある。それは、建築家の多くが主として建物を
  とおして自らの権力と財力を誇示したがる特権階級の
  人々や大企業、大手開発業者のために仕事をしており、
  私はもっと一般の人たちや家を必要とする人たちの
  ために仕事をするのだと思っていたからだ。
  現実はまったく違った」

 「歴史的に建築家は特権階級や富豪が力を誇示するための
  建築を造ってきた。今も僕らはそういう仕事をしているし、
  町のモニュメントを造ること自体は悪いことではない。
  ただ、それだけではなく、自分の経験を、
  家を失った人のために使えたら、
  少しは状況が良くなるのではと思った」

こうした「一般の人々のために」が、被災者などの難しい状況
にいる人々に対して建築物としての自分なりの支援活動を
行ってきたのだ。

それから、坂さんは、「3.11」からほどなく、
日経新聞での呼びかけ的記事が印象的だった。

私は2011年3月31日のブログ
 「感想の間のアンビバレンス 誠実さということ
  心を開いて向き合うこと」で、
3月25日の日経新聞の掲載された坂さんの言葉を引用
しているが、もう一度以下、記す。

 建築家の坂 茂(ばん しげる)氏が「善意の積み重ね」と
 出して書いている。
 教え子や世界の友人からネットを通じても支援の輪を紹介し、
 こう書く。

 「友人、知人、みんな「自分にできること」は何かを真剣に考え、
  行動を起こそうとしている。そうした善意の方々に伝えたい。
  決して背伸びする必要はない。得意なこと、好きなことを
  生かして、できる範囲の手助け。
  ピアノが弾けるのならば困難を乗り越える勇気を音楽で
  伝えることができる。
  (中略)社会的な影響力や知名度がある人々や企業も
  いちはやく支援に乗り出している。
  中にはこうした活動を 「売名行為」と批判する人も
  あるだろうが、売名の何が悪いのかと言いたい。
  1人でも助かる人がいれば、1つでも喜ぶ顔が増えれば
  いいのだから。日本人は助け合いの心あふれる国民だ。
  小さな善意を積み重ね、復興への力としたい」


別件~上橋さんアンデルセン賞受賞決定

また、この日、上橋菜穂子さんが児童文学のノーベル賞と
言われる「アンデルセン賞」を受賞したという記事も
同時掲載された。
上橋作品については全く未読だが、日本人の同賞受賞は、
先般逝去したまど・みちおさん以来20年ぶりとのことで、
大変めでたい。

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