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2014年3月22日 (土)

MABOROSHI~オペラ源氏物語~甲府にて

山梨好きが高じて甲府市に転居したというバリトンの本岩孝之氏
の、「山梨から文化を発信したい」との発案からスタートし、
それに共感した作曲家の二宮玲子氏と劇作家の林望氏により、
 「ローカル色を出すより、日本全国いや世界中の人が観ても
  感動できる題材にしよう」とのことから、
「源氏物語」をオペラ化し、この企画の上演作品として初演に
 至った。
 全2幕の作品。

下記のとおり、ダブルキャストだが、
初日=22日の午後の部の公演を鑑賞した。

作劇=林 望

作曲=二宮玲子

指揮=小森康弘

管弦楽=源氏物語管弦楽団

合唱 =源氏物語合唱団

演出=松本重孝

       22日午後&23日   22日夜

光 源 氏   本岩孝之      鹿又 透

紫   上    小林沙羅      佐藤路子

明石の中宮  鵜木絵里      二見麻衣子

夕   霧    布施雅也      山本耕平

三 の 宮   伯田桂子      辰巳真理恵

中将の君    望月友美      本岩潤子


作曲者の二宮さんのことは、この作品で初めて知った。
プログラムには作曲者が、
 「基本的には調性を採用し、親しみやすく、品格のある
  楽曲を作曲する事を目指した。
  敢えて番号オペラの形式を採用した」
と記載しているように、
春のどけき、という感じでフルートなどにより5分ほどの序奏が
開始された。
曲は、アリア、特に紫上のそれが、よく練られて美しいもので
あったことが印象的だった。

戦後の、無調12音作曲が主体となった音大作曲科での授業と、
卒業生の作品は、1980年代以降はむしろ
 「ゲンダイオンガク否定」の時代に転化したと言って間違いない。

冨田勲さん、吉松隆さんという慶大卒の、美しい作品を基調と
する作曲家に続き、従来の無調の教育を徹底して受けたと
想える千住明さんや、
指揮者として活躍し作曲する沼尻竜典氏も、
調性による作品をメインとして書き出していることから、
もう完全に「調性回帰」が決定的になったと言えるだろう。

とはいえ、そうしたオーケストレーションが、全て受入れられる
か否かは別問題だ。
必然的で論理的で緻密な練り具合があり、
聴衆の感情に訴えかける内容をどのくらい持つかどうかにより
評価の高低が決まっていくであろうことは当然だろう。

二宮氏自身がプログラムに
 「日本のオペラ作品は初演イコール終演が多く、
  再演される機会は少ない。山梨で再演される事を
  願うと共に、各都市でも上演されれば、
  作曲者にとってこれほど嬉しい事はない」

とあるし、それはそうだろうけれど、
 「山梨で再演」はあっても、「各都市で上演」はどうだろうか?
  ちょっとそれに至るには力が足りない内容ではないか?」
という感想を持ったことは正直に記そう。


歌手では贔屓目抜きで、小林沙羅さんが素晴らしかった。
古典的日本語の発音が旋律にうまく乗って歌として
発せられる、そういう基本的なことが気品をもってなされている
のだ。
彼女自身は「売れっ子」で多忙なのに、それでもこうした新作、
現代オペラに果敢に挑んでくる姿勢が素晴らしいし、
それを可能としてしまう才能に、あらためて驚嘆する。

 1月31日は日本語版「冬の旅」
 3月13日は神奈川県立音楽堂でのマチネー、
 そしてこの演奏会から数日後には、昨年に続き第2回の
  リサイタルが紀尾井である。

そうした中での新作出演とは驚くべきことだし、頭が下がる。
本当に心から尊敬に値する。

  「これぞアーティストだ」 と言いたい。


その他では、夕霧役のテノールの布施雅也さんが
とても良かった。今後に注目だ。

鵜木絵里さん、伯田さんも良く、特に失礼ながら見た目的
にも伯田さんはプログラム掲載の写真より可愛らしく見えた。

光源氏役の本岩孝之さんは、落ち着いた声だったが、
もう少し押し出しというか、ツヤがあるといいなと思う。
やや地味な感じで終始したのが残念だった。

松本重孝氏による演出はシンプルで美しいものだった。

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