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2013年8月28日 (水)

サイトウキネン 2013 ラヴェル 「こどもと魔法」 小澤征爾さん 藤谷佳奈枝さん

今年のサイトウ・キネンは、小澤征爾さんがオペラ公演に復帰
されるとあって、チケット発売日の午前中には全4公演が完売
という凄まじい状況だった。
私は入手できなかったので諦めていたのだが、
某出演者のご厚意で1枚用立てていただき、行ってきた。
しかも、会場に行ってみると、とても良い席だったので
重ねて嬉しかった。当人との約束で、名前等詳細は伏せる。

さて、1992年にストラビンスキーの「エディプス王」ほかで
開始した「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」も今回で
21回目を迎えた。

主催は同実行委員会と、公益財団法人サイトウ・キネン財団、
共催がプログラムに長野県知事、松本市長も冒頭寄稿する
とおり長野県と松本市、後援が外務省と文化庁。

県内の複数のホール等を使い、8月上中旬から9月上中旬
の1ヶ月にわたり、オペラ、オーケストラコンサート、室内楽、
若い人への指導教室、青少年向けオペラ等の多岐にわたる
企画、そして毎回 地元市民を中心に500人近いボランティア
による運営が行われている。

よって、もうこれは地域を基盤とする一大イベントと言える。

私が行ったのは28日のオペラ公演で、演目と主な出演は
以下のとおり。

オーケストラはもちろん、サイトウ・キネン・オーケストラ

会場は まつもと市民芸術館 主ホール

1.ラヴェル 歌劇「こどもと魔法」

 指揮;小澤征爾

 演出;ロラン・ペリー

 合唱;SKF松本合唱団およびSKF松本児童合唱団

 こども…イザベル・レナード

 肘掛椅子&木…ポール・ガイ

 母親&中国茶碗&とんぼ…イヴォンヌ・ネフ

 火&お姫様&うぐいす…アナ・クリスティ

 雌猫&りす…マリー・ルノルマン

 大時計&雄猫…エリオット・マドア

 小さな老人&雨蛙&ティーポット
      …ジャン=ポール・フーシェクール

 安楽椅子&こうもり…藤谷佳奈枝


2.ラヴェル 歌劇「スペインの時」

 指揮;ステファヌ・ドゥネーヴ

 演出;ロラン・ペリー

 コンセプシオン(時計屋の女房)…イザベル・レナード

 ラミロ(ロバ引き) …エリオット・マドア

 トルケマダ(時計屋)…ジャン=ポール・フーシェクール

 ゴンサルヴ(詩人気どりの学生)
   …ディビット・ポーティロ

 ドン・イニーゴ・ゴメス(銀行家)…ポール・ガイ


 状況、感想等

 「こどもと魔法」

ロビーには、今年5月29日に亡くなった潮田益子さんを
追悼する慰霊台が置かれていた。
初日にはオペラに先立ち、モーツァルトのディベルティメント
作品136の第2楽章が追悼演奏されたという。

小澤さんがステージに出るとき、そのソデには
トントントンと叩く木が備えてあることはよく知られている。
そして、正に「トン・トン・トン」と木を叩く心地良い音がした
と思ったら小澤さんが登場し、オペラが始まった。

私はこの作品は(次の作品も)詳しくないので、
詳細な感想は控えたい。

演出は楽しく、たぶんそれほど特別な奇異な演出という
ものではなかったのだろうと想う。

曲は、基本的に木管楽器の柔らかな、優しいトーンを主体
として穏やかな美しいオーケストレーションによるもので、
さすがラヴェルというところ。

オケピットの中もある程度見えたが、コントラ ファゴットが
活躍する曲で、その第3ファゴット奏者=日本人女性が
素敵なお顔だったし、
ピッコロを受け持った第3フルート奏者は
外国の女性奏者だが。これまた大変な美人だった。

と、まあ、こんなことを書いては呆れられるだろうが、
オケピットの中を見れる場合、楽器編成(特種楽器の有無等)
や配置の他にもついつい、どういう人がいるのだろうか、とか、
その表情とかを見入ってしまうのだ。

ソリストの中で日本人歌手として唯一出演された
藤谷佳奈枝さんは、椅子役での声は実に見事に響いて
いた。
おわりのカーテンコールのときは こうもり役でのそれ
だったので、顔も含めて真っ黒だったのがお気の毒だった。

藤谷さんを初めて聴いたのは、たしか2007年だったと思う。
市民オペラでの「カルメン」のミカエラ役で、
それは見事な声、歌で、タイトルロールの歌手が
あまり知られていない人ということもあってか、
完全に音楽的には、歌唱的には藤谷さんが主役となって、
 「カルメンを食っていた」のだった。

そのとき以来、私が絶賛してやまない歌手だ。
最近では、2月にヴェルディの「レクイエム」を歌ったときの
ことを書いた。

彼女の声は、圧倒的な声量があり、しかも
常に声の質感が均一で、デコボコが無い。
常に一定した厚さで声が歌が流れていく。
クリアで美しく力強い質感だ。
完成度の高さ、クォリティの高さは、この若い世代の中では
例外中の例外だと思う。

別に小澤さん指揮の公演に出たから言うのではなく、
 「既に第一級の歌手」だと思う。


さて、オペラが終わり、ステージで歌手たちがカーテンコールに
応えているとき、オペラピットの中では、小澤さんが
オケピットの中の全員と、本当に「1人1人全員と握手していた」
のが実に印象的で、それ自体にも感動した。


 「スペインの時」

こちらも演出のことはよく判らないが、セットをいじることなく
終わったので、それほど変わった設定ではなかったのだろう。
主役のイザベル・レナードさんは、「こどもと魔法」での
正に少年ぽい身なりと化粧だったので、
どれほど「女っぽい」歌手なのかは判らなかったが、
この「スペインの時」では一転一変して、見事な「いい女」に変身
していた。外見的にもとても魅力的だ。

この作品でもオーケストレーションをよく聴いていた。
初演が1925年の「こどもと魔法」に比べ、この作品は
1911年の初演作品ということもあり、
それほど精妙さに感心したわけではないが、
それでもとても魅力的な管弦楽のトーンだった。

指揮者のステファヌ・ドゥネーヴさんは大きな身振りの指揮で、
指揮棒をもたず小さな身振りを基本とした小澤さんとは
対照的だったが、むろんそれはそれで楽しめた。

内容的にこちらの演目が笑いを誘うものなので、実際、
満員のお客さんたちは何度も笑い、楽しんでいたのが印象的
だった。


オーケストラの1員として参加した人の中で特に有名な人を
幾人か記すと、ヴァイオリンでは竹澤恭子さんが出演者名簿に
あるのは驚きだ。
あと、常連の中村静香さん、矢部達哉さん、久保田巧さん、
岩崎洸さんの息子さんでナシュヴィル響のコンマスの岩崎潤さん。
盲目にしてオペラも常連という驚異の和波孝禧さんは
今回は2つのオケ演奏会のみ。

ヴィオラでは常連の川本嘉子さん、店村眞積さん、
チェロでの丈連では岩崎洸さん、上村昇さん、原田禎夫さん、
古川展生さん、コントラバスでは河原泰則さん等。

オーボエでは、新日フィルの森明子さん、
紀尾井シンフォニエッタの森枝繭子さん。
ホルンの常連では、メトロポリタン歌劇場副首席奏者の
美人奏者ジュリア・バイラントさん等々。


なお、報道のとおり、23日の初日公演には天皇皇后両陛下が
ご臨席されたし、25日には小澤征爾さんの奥さんベラ夫人、
ご子息で俳優の征悦さん、エッセイを書いたりしている
娘さんの征良(せいら)さんなど小澤ファミリーに加え、
征悦さんと噂のある滝川クリステルさんもいっしょに来場
されたとのこと。

そして、この28日には、瀬戸内寂聴さんが来場されていた
らしいが、見ることができず残念だった。
 寂聴さん、お元気だなあ~。

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