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2013年2月11日 (月)

豊島区管弦楽団 第76回定期演奏会      バルトーク 管弦楽のための協奏曲

豊島区管弦楽団の第76回定期演奏会を東京芸術劇場で聴いた。

指揮は前回と同じく、1982年生まれの佐々木新平氏。

曲は

1.ワーグナー 歌劇「リエンチ」序曲

2.ブルッフ 交響曲第2番 ヘ短調 Op.36

(休憩)

3.バルトーク 管弦楽のための協奏曲


リエンチ序曲は久しぶりに聴いた。
冒頭のトランペットソロはとても難しいので、アマチュアの場合は
いっちゃもん付けたくない。
むしろ主部に入ってからトランペット群の和音が不安定なことが
気になった。

  それと、聴衆に一言

最後の和音の響きがまだステージに残っている状態
 =完全に消えていない状況での、
間髪入れずの拍手はやめてもらいたい。興醒めだ。

以前、FAF管弦楽団の演奏会で、必ずそうするヤツ、
これみよがしにすばやく拍手するヤツがいて、
ブログで批判したが、
このオケにも常連のやや血の気の多いファンがいるらしく
閉口した。 猛省して欲しい。


2は初めて聴くのでとても楽しみだった。
ブルッフはあの美しいヴァイオリン協奏曲のイメージがあるから
期待したのだが、結論から言うと、退屈な作品。
これまで滅多に取り上げられないのはもっともだと納得して
しまったしだい。
例えば際立ったソロがあるわけでもなく、
全体的に「いつもトォッティで奏している」というイメージが
してしまう曲。
要するに厳しい言い方をすれば「何を言いたいか解らない曲」。

演奏自体は良かったのだと思う。
知らない曲だから自信をもってはもちろん言えないけど、
特に文句を言いたくなるような不具合は感じなかったので、
合奏としてはしっかり演奏したのだと思うが、
とにかく作品としての魅力が私には皆無に思えた。

でも、そうした滅多に演奏されない曲をプログラムに
乗せてくる団としての姿勢には敬意を表したい。

なお、この曲では、曲自体があまり知られていないことからか、
「間髪入れずの早すぎる拍手」は無かった。


休憩後はこの日最大の聴きもののバルトーク。
言うまでもなく難しい曲。
この曲と、リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」ができる
アマチュアオケは、それ自体、優秀であることを示している。

 第1楽章

冒頭からチェロとコントラバス、とても良い。
主部に入ってからも、弦の各パートはとてもよく弾いていた。
フルートソロも清々しく素敵だった。

 第2楽章

小太鼓、うまかった。

 第3楽章

木管と金管がうまい。弦はやや強い響きが足りなかった。

 第4楽章
この楽章も演奏については第3楽章と同じような印象。

ところで、例の有名な箇所~ショスタコーヴィッチの
第7交響曲「レニングラード」からの引用と、
それをバルトークが嘲笑うシーンとされる箇所については、
以前もどこかで書いたと思うが、この部分だけ、
この箇所に限ってはバルトークの駄作(部分)だと思う。

バルトークほどの人が、音楽におけるこんな皮肉的な扱いを
して欲しくなかった。
こうした俗世的な事柄を音楽に持ち込まないで欲しかった。
バルトークはこの作品の中でもずっと自分だけのことを
考えて欲しかった、と思う。

この曲全体自体は、バルトークの代表作というだけでなく、
音楽史上でも極めて重要な作品であり、世界中のプロオケ
にとって絶対に外すことのできない重要なレパートリーである
ことは言うまでもないが、
  こと、<この楽章のこの箇所だけ>に限っては
音楽として「不要」だ。


 第5楽章

難しい楽章なのだ、とあらためて想った。
というか、そういうことを演奏から教えていただいた。
でも、これは嫌味でも批判でもない。演奏はとても誠実だった。
それだけに曲自体の大変さが伝わってきたのだ。

もっとも、演奏にもこの楽章に限っては注文を付けたい個所は
幾つかあった。

例えば、201小節からのトランペットソロに始まる
印象的な走句(~254小節)。
2番奏者も1番奏者ももっと堂々と吹いて欲しかった。

そして、それが255小節のティンパニによる印象的な
グリッサンドに続いて、265小節のセカンドヴァイオリン
に始まり、ファーストヴァイオリン、チェロ、ヴィオラと
続いて行くフーガのような部分も、
各パートが順次テーマを弾き出していくところは、
それぞれもっとメリハリよく、強い音で弾いて欲しかった。
どのパートもちょっと弱かったと思う。

でも、総じてこの曲をここまで演奏できれば良いと思う。
エンディングも立派だった。

聴衆の拍手、早すぎ。最後の響までちゃんと聴きましょう。

アンコールでは、ブラームスのハンガリー舞曲第2番を
演奏した。
1番でも5番でも6番でもなく、2番というのがなかなか新鮮
だったし、演奏もシャープで良かった。


 オケについて
今の時代にこういうことを書くのはどうかとは思うが、それでも
 8人のコントラバス中、6人が女性、というのは
  ちょっとした「圧巻」だった。
コンバスでここまでの比率はプロアマ問わず見たこと無かった。

チェロも9人中6人が女性というのも印象的だった。

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