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2012年7月 1日 (日)

日下紗矢子 Vol.3 六重奏 トッパンホール  エスポワール シリーズ8

2008年からベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の
コンサートマスターを務める日下紗矢子さんが、
2010年からトッパンホールでホールからの依頼があり
タッグを組んでホール主催=企画「エスポワール シリーズ」
として過去2回、室内楽の演奏会を開いている。

いずれも都合が悪く、聴けずにガッカリしていた。
今年も1つ前のブログ、長谷川陽子さんと渡辺玲子さんの
共演する演奏会と重なって困ったなと思ったのだが、
東京文化会館は14時開演で、2人の演奏は前半のプログラム
だから、15時には終わっている、そして、トッパンホールは
15時開演なので、逆に前半は聴けないが、
後半だけなら聴けることに気づき、両方のチケットを入手
していたしだい。

トッパンホールは初めて行ったが、駅からだいぶ歩くのが
やや難。

曲は
1.シュルホフ 弦楽六重奏曲

2.ベートーヴェン 弦楽三重奏曲 ハ短調 Op.9-3

(休憩後

3.シェーンベルク「浄められた夜」 Op.4

奏者は (敬称略)
ヴァイオリン…日下紗矢子、甲斐摩耶
ヴィオラ…アンドレアス・ヴィルヴォール、鈴木康浩
チェロ…ステファン・ギグルベルガー、ダミエン・ファンテュラ

1つ前のブログ記事で書いたとおり、14時から
東京文化会館での演奏会を聴いていて、その前半終了後に
駆け付けたので、15時開演のこのトッパンホールでの
前半プログラムは聴けなかったのは残念。

特に1は、これまでも(そして今後も)日本では
まず演奏されることは稀有な曲なので、
シュルホフは聴きたかった。
できれば本日の演奏が録音され、CD化されることを望む。
過去のシリーズでそうなっている曲もあるので。

なお、その1はプログラム解説によると、
「エルヴィン・シュルホフは、ナチス時代にチェコの
 テレジン収容所に収容され、恰好のプロパガンダ装置として
 使われてしまったヴィクトール・ウルマンやパヴェル・ハース、
 ハンス・クラーシャといった、いわゆる
  「テレジンのユダヤ人作曲家」たちの再認知とともに、
 その名が広く知られるようになった作曲家である。
 1894年プラハ生まれ、1942年8月18日に結核で
 ヴュルツブルグの敵国人収容所において非業の最期を
 遂げた彼は、しかし強制収容所に移送される以前、
 ウルマンとならんで活発な活動時期があり、
 すでに名声を獲得していたと言ってもよい。
   (中略)
 室内楽も5曲の弦楽四重奏曲をはじめ多く残されているが、
 弦楽六重奏曲は1924年にドナウエッシンゲンの
 現代室内楽祭で初演されたもの(この作品)が唯一の作
 となる。
 この初演のときにはヒンデミットもヴィオラで参加していた。
  (後略)」

聴きたかった。


さて、いよいよ、シェーンベルクの傑作「浄められた夜」。
特に第1楽章は音的にもリズムやフレージング的にも難物で、
正に「プロフェッショナル」を要求される曲。
 素晴らしい傑作だ。
この6人による演奏も実に見事だった。

第2楽章以降はむしろ穏やかで熟成された後記ロマン派の
曲想が続くので、改革的な曲想と名人芸としての演奏を
堪能したのは第1楽章と言える。

6人は皆名手たち。
ヴィオラのヴィリヴォールさんは音の立派さに感心したし、
同じくヴォオラの鈴木康浩さんとチェロのギグルベルガーさんは
フレージングの妙が見事で、見た目的にも楽しめた。


このホールの聴衆について
後半が始まるとき、すぐに気づいたのだが、このホールでの
お客さんは、とても大きな拍手をする。
全員がすこぶる熱烈な拍手、手を抜かない拍手をする。
強く大きく長い拍手。室内楽ファン、常連なのだろう。

このホールに来たのは初めてなので、
いつも(他の演奏会でも)そうなのか、
日下さんの熱烈なファンが多数だったからそうなのか、
そのへんのところは判らないが、こちらがタジログくらい
熱心で真摯な拍手を続けていたシーンが実に印象的だった。


アンコールに際して、日下さんが挨拶した。
「トッパンホールからこの話をいただいたのが3年半ほど前。
 3回シリーズとのことで、3回目シリーズ最後は、
 シェーンベルクの「浄夜」とそのとき決めた。
 その時の自分の気持ちを振り返ると、
 技術的にも難しく、デーメルの詩の内容もそのときは
 理解できていなかったが、3年間で自分がどれだけ
 成長できるか、ということも考えて選曲したのだと思う。
 これまでずっとヴァイオリンを弾いていられることは、
 いっしょに演奏する仲間、こうして応援して来場して
 くださるお客様、企画の選曲に対していろいろ配慮せず
 自分の思うままやらさせていただいたトッパンホールさん
 など、皆さんに感謝します。
 では、最後に、ヨハン・シュトラウスの
  「トラッチ・トラッチポルカ」を演奏して楽しく終わりたいと
 思います」

このときも、ヴィオラの鈴木さんの「動作」がユーモラスで、
見ていてもとても楽しかった。

今後もまたいつかどこかで、こうしたメンバーによる演奏会を
日下さんに希望したい。

 追記;
鈴木康浩さんは、この後、清水直子さんが読響と共演した
演奏会でも活躍する。
そのことはその演奏会について書く際に触れることとする。

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