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2012年5月 6日 (日)

エレクトーンの効果絶大 「トスカ」 ヤマハホール 小川里美さん 高田正人さん 与那城 敬さん

ハイライト演奏~とは言っても主要な曲はほとんどカヴァーした~
 とはいえ、
「はたしてエレクトーンという電子オルガンでいったいどれほどの
 演奏が可能なのだろうか?」、と私を含む少なからずの人が
興味津津というよりは、半ば疑心暗鬼にヤマハホールにでかけた
のではないか? と想像する。

そして(しかし、と言うべきだが)その結果はどうだったか?
素晴らしい演奏会だった。

それは3人の今をときめく優秀な素晴らしい歌手が揃ったという
ことに加え、エレクトーンを弾いた清水のりこさんの
素晴らしい力演こそが成功に大いに寄与したと言える。

最新の電子鍵盤楽器が、これほどにもオーケストラを補うに足る
性能を持っていようとは知らなかった。
弦の普通の響からトレモロ、そしてピッツィカートや増減する
トゥッティの音量。ハープの音。
フルート、クラリネットの音、シンバル、等々あらゆる楽器の
 (完全にそっくりでないまでも)ほとんど違和感無いまでに
似せた音による演奏は実に見事だった。
この驚くべきエレクトーンによる音に支えられ、
それを信用して3人の歌手は心おきなく朗々と歌った。

歌手;配役は、

トスカ(ソプラノ)が 小川里美さん

カヴァラドッシ(テノール)が 高田正人さん

スカルピア男爵(バリトン)が 与那城 敬さん

演出とナビゲーター(進行MC)を彌勒忠志(みろく ただし)さん
 が行った。

3人とも声が良いだけでなく、
「3人とも同様に背が高いこと」が際立った舞台と言える。

ヤマハホールは規模としては小さいが音響はすこぶる良い。

第1曲目から高田さんは絶好調で、実に見事な声。
以前、嘉目真木子さんとの「めぐろパーシモン」での
「これがオペラだ」シリーズにおける「蝶々夫人」での
ピンカートンの名唱を思い出した。あのときも、
 「高田さんで、<ラ・ヴォエーム>のロドルフォを聴きたい」
と思ったのだが、この日のカヴァラドッシも実に見事。

与那城さんは、ややもするとクール過ぎる演技になることもある
のだが、この役では役の狡猾な性格と見た目のカッコ良さという
 「アンバランスゆえの存在感」で際立っていたし、
声ももちろん充実していて素晴らしかった。

小川さんは初めて聴いた。まず容姿が素晴らしく、
さすが学生時代に「ミス ユニバース日本代表」に選ばれた
だけのことはある。
それに、単に美人とかスタイルが良いというだけでなく、
よく響く声には陰影も含んでいるように思え、したがって
この役のようなドラマティックな悲劇的な女性の役に、
見事に「はまる」感があった。

そしてそれは、最後の最後、カヴァラドッシが(空砲ではなく
実弾で)本当に死んでしまったことに気がつき驚いた瞬間の
悲鳴と実に見事な演技と声に、この日のデキが収斂されていた
と思う。

この人は他の誰よりも抜きんでて演技力のある歌手だと思った。
それは しぐさ とかだけでなく、顔の表情が既に女優なのだ。


休憩時ロビーでみかけた指揮者の井上道義氏は終演後、
小川さんに、「今度は大舞台で観たい」と感想を伝えたことを
小川さんが自身のブログで伝えているが、それはこの日
来場した全ての聴衆の感想でもあったはずだ。

3人とも既に活躍それているが、
今後益々楽しみだと心からそう思った。

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