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2012年4月12日 (木)

この半年で観た映画 その12

昨年10月17日に、「この半年で観た映画 その11」 として、
2011年 4月~2011年10月に劇場やDVDで観た映画の
感想を書いたのに続き、
それ以降=20011年10月~今年3月に観た映画の感想を、
シリーズの12として感想を記したい。

なお、これまで同様、既に単独でブログに書いたものは
 「○月○日のブログに記載のとおり」、とだけにしたい。


  「SP 革命編 (DVD)」

  エンターテインメントとしてはとても面白い。
  実際にはムリだろうなあ、とか、キザすぎる若者官僚君たちの
  言動に苦笑を禁じ得ないが、面白いことは面白い。
  主役の岡田准一もいいが、この作品は、失礼な例えで言う
  なら、「今後、仮に堤 真一という俳優が(引退や事故等で)
  いなくなっても、この作品で尾形総一郎を演じた俳優として、
  長く彼の名は残るだろう」という意味でも、あるいはむろん
  本人としても重要な代表作と言えるだろう。
  真木よう子のカッコ良さは言うまでもない。


  「はやぶさ HAYABUSA 」 (劇場)
  10月16日のブログに記載のとおり


  「その街のこども」  (DVD)

  2010年に「阪神淡路大震災」15周年作品として
  作られた作品。
  公開直後から非常に評判が良かった作品だ。
  劇場で観るタイミングを逸していたので、よくやくDVDで
  観た。非常に印象的な作品である。
  登場人物は実質的には2人だけと言ってよい。
  もちろん実際は違うが、実質的には2人の主に
  夜の神戸を歩きながらの会話だけで進行する映画だ。

  短い、また、内容的にも特別な設定はほとんどない
  のだが、2010年1月16日の夜に、13年ぶりに
  東京から来た女性と、広島での仕事があるにも
  かかわらず、新神戸駅で何かに突き動かされたように
  新神戸駅で下車し15年ぶりの神戸に降りた青年とが、
  ひょんなことから翌日早朝、そう、
  1月17日午前5時46分に行われる公園での
  追悼式までの間を、歩きながら語ったりするだけの
  内容だ。
  「1995.1.17」に、その2人はそれぞれ全く違う感情
  思い出をかかえており、2人の会話から、
  それぞれ複雑な思いが明かされてくる。

  主役の2人が良い。
  特に最近多くの映画に出演されてきて、地道ながら
  着実に女優としての存在感を増して来ている
  佐藤江梨子さんにとって、これはその中でも
  間違いなく彼女の「代表作」と言ってよい。


  「Paradise Kiss」  (DVD)

  劇場で観ておかなかったことが残念に思えるほど、
  今年最も魅力的な恋愛映画と言える。
  何度も笑わせてくれるだけでなく、素敵な内容だ。
  主役で初共演の北川景子さんと向井 理さんの
  いずれも良い。
  いや出演者全てが良い。
  例えば特にジョージ(向井)の幼馴染であり、
  早坂(北川)を常にそっとサポートしていくイザベラを
  演じた五十嵐隼士さんの存在感が素晴らしく、
  この映画のもう1人の隠れた主役と言ってもよいほどだ。
  コケティッシュな役、櫻田実和子を演じた大政 絢さんも
  声の可愛らしさとともに印象的だった。
  久々の爽やかな恋愛映画である。


  「信さん 炭坑町のセレナーデ」  (DVD)

  素朴で良いが、小雪さんのファンでないと
  特別な感慨は覚えないかもしれない。


  「恋の罪」  (劇場)
  12月6日のブログに記載のとおり


  「プリンセス トヨトミ」  (DVD)

  奇抜な設定だが、最後近くに、
  「銃弾」が登場した点はいただけない。
  違うかたちだったらもっと楽しめたのに、と思う。


  「聯合艦隊司令長官 山本五十六
   ~太平洋戦争70年目の真実」  (劇場)
  12月25日のブログに記載のとおり


  「わたし出すわ」  (DVD)
  
  12月20日に亡くなった森田芳光さん監督。
  なんとも不思議な内容だ。
  森田ワールドというところだろう。
  大島ミチルさん作曲のピアノ・ソロによる
  控え目だが美しい音楽が素敵だ。
  さすが、ミチルさんだ。


  「灼熱の魂」  (劇場)
 
  評判の良い(評価の高い)映画ということは知っていたが、
  そういうことは考えないで観るようには普段からしている。
  劇中のセリフにもあったが、
  「知らないほうが良いことは世の中にはある」ということは
  真実に違いない。
  終わり近くの最初の「ひとひねり」は少し前から想像が
  ついたが、最後の「もうひとひねり」は
  確かにショッキンッグではある。

  でも「あまりリアリティは感じない」という批判はできる
  だろう。少なくとも日本においてはなかなかリアルには
  伝わってこないのだが、それでもこういうかたちで
  中東紛争の悲劇を描いたことは意義はあると思う。


  「ヒミズ」  (劇場)
  1月29日のブログに記載のとおり


  「はやぶさ 遥かなる帰還」  (劇場)

  昨年秋公開された竹内結子さん主演の
  「はやぶさ HAYABUSA」も丁寧な作りで好感が持てたが、
  この渡辺謙さん主演の作品は、一人で主役作品が撮れる
  俳優をずらりと揃えた豪華さということよりも、
  はやぶさの具体的問題を町工場の技術、
  イオンエンジンを担当した大手メーカーの担当エンジニア
  というような現実的な人間ドラマに力点を置いている点で
  更に見応えがある。

  パスカルの言う、「人間は自分が死ぬことと、宇宙が
  自分よりも優れていることを知っている。
  しかし宇宙(自身)はそれについて何も知らない。だから、
  われわれの尊厳の全ては、考えることになかにある」
  としたある種の人間賛辞、誠実な思考とモラリティの尊重は
  理解できるものの、それでも結局のところ
  「人間は宇宙の何たるは永遠につかめとれないであろう」
  という疑念に対する回答とも慰めともならないことを
  認めることは別段悲観的思考とは言えないだろう。

  そう思いながらも、この「はやぶさ」が日本人の、いや
  人間が持つ「可能性」(希望と言ってもよいが)の最大の
  具現化を提示してくれたことに感謝しないではいられない。
  人間は未知の世界にチャレンジしないわけにはいかない。
  パスカルが「この無限の空間の永遠の沈黙が、
  私を恐れさせる」とした空間に「はやぶさ」が飛び、
  サンプルを採取に、身を焼き尽くして帰還したように。
  人間の叡智をかけ、何年か後の大きな目標に挑むことの
  大切さを教えてくれる映画だ。


  「麒麟の翼」  (劇場)

  「(世の中を)甘くみているならまだいい。絶望するよりは」
  AとかBとかではなく

  昔、吉田秀和さんがカール・ベームの来日公演の際、
  「ベームはいつも私達に宿題を置いていく。単に良かった
  とかどうだったか、ということでは済まないのだ」
  ということを書いてい。
  この表現を借りるなら、東野圭吾の作品は、
  単にAが加害者、Bが被害者として事件が起きた、
  とかいう事実関係だけでは済まないのだ。
  そこには人間の「業」を原点とした、いわば原罪としての
  人間の弱さや苦しさを物語の奥から引き出してきて
  我々の前に提示してくるので、映画化された作品として
  観ていても、一層生身の人間の奥深い悲しみや苦しみに
  直面することを強いられ、いわば、いっしょに苦しみを
  感じることになる、そういう悲痛な悲しみに直面させられる。

  人を思うがゆえの過ちやそれによる苦しみや悲しみに、
  いっしょに感じ考えることを、あるいはそうした問いかけに
  否応なしに面と向かい合うことになる。
  それが彼の作品の強さであり魅力なのだろう。

  舞台となっている日本橋は私もある程度 土地勘は
  有るのだが、誰もが全く気にせず通り過ぎる彫り物で
  ある麒麟の彫刻を基に、ここまでの物語を創り上げる才能は
  やはり尋常ではない。
  当代きってのストーリーテラーであることは疑う余地もない。
  土井裕泰監督によるこの映画もお薦めだ。


  「ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター」(劇場)

  キャスティングで楽しめる。
  静ちゃんはボクシングだけでなく、ドラムも結構巧かった。
  黒木瞳さんは普段着も美しいが、ステージの上の彼女は
  数倍輝く!さすが元ズカガール。だてにズカ出身ではない。
  やはり「違う」。こんなにカッコイイ50歳はそうはいない。
  
  ロックなズカ後輩の真矢みきさんは珍しくカゲのある役。
  そして本当に美しい木村多江さんがコメティッシュな役の
  うまさで物語を牽引する。
  こんなにカッコイイ40歳もそうそういない。

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