« アマデウス・ソサイエティー管弦楽団第 37回  演奏会 山田和樹さん~「英雄の生涯」     三船優子さん ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 | トップページ | 河村尚子さん ピアノ・リサイタル in 所沢 »

2012年2月26日 (日)

東電に対する「電力料金値上げ拒否」の根拠

  電力料金値上げ拒否の根拠
  ~料金の一部が社員の福利厚生費に転嫁

①政府が東電に1兆6千億円の資金を投入する。

②東電がこの10年間に発電とは無関係な費用 (注1)
 約合計6000億円を上乗せした原価算定による
 電気料金を徴収し続けてきたことを昨年10月3日、
 政府の第三者委員会が明らかにした。
 東電が不当に得た金だ。

(注1)…発電とは無関係のものが費用計上されていると
   判明したのは、静岡県熱海市など各地にある保養所や
   社員専用の飲食施設、PR施設などの維持管理費、
   財形貯蓄の高金利、社内のサークル活動費、

   「健康保険料の会社負担 (注2)」、

   「自社株を買う社員への補助 (注3)」等。

(注2)…「健康保険料の70%負担」
   通常、会社は50%負担なので、残る社員負担の50%
   のうち、その4割に相当する20%分を利用者から
   徴収する電気料金に転嫁していたことになる。

(注3)…「従業員持株会」加入経験者でないと解り難いかも
   しれないが、「持株会」という少額ずつによる定期積立で
   自社株式を購入していく制度があり、その場合、
   その制度加入者には会社で一定の奨励金
    ~例えば毎月1万円拠出する人には千円を会社で
     支出(上乗せ)しますよ、
   というものだが、この購入奨励金(東電は拠出金額は
   先の例と同じ10%)のほか、
   年3.5%の財形貯蓄利子、
   年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子などになる
    原資金が電気料金に含まれていたのだ。

このように、完全に電力とは無関係の物事に料金転嫁しており、
常軌を逸した信じがたいほどの 「徴収料金の私物化」
と言える。

そして、この①と②の2点については
 「当然の事であるかのように釈明せず」、4月から企業等の
大口顧客の電力料金を値上げしようとしており、やがては
個人=家庭の電力も、と考えているという。

どうしても値上げが必要と言うのなら、民間企業であるなら、
潤沢とされる人件費の圧縮や徹底した不要資産の売却を
行って当然であり、それを曖昧なまま、

 「公的資金はいただきます、過去の不当な利益は
  利用者には返金しません」

としたうえ更に、

 「値上げします。当然の<権利>です」

などと言うのが許されるわけはない。
こういうのを「甘えったれたボンボンの言い分」と言う。


なお、この②の徴収根拠については長くなりますが、
以下のとおりです。


 ②についての説明
 ~日本の電気料金が、世界標準の2倍高い23円/kWh
  である理由=前段で書いた、
  電力料金徴収額の算定根拠について

我が国では電力のコストは電気事業法に基づき、
「総括原価方式」という方法で計算されている。
これは、発電・送電・電力販売に係る全ての費用を「総括原価」
としてコストに積み上げ(反映させ)、その上に
一定の報酬率(利益)を上乗せした金額が、
電気の販売収入に等しくなるように電気料金を決める方法を
言い、費用と言っても発電所の設備管理費、運転費用、
燃料代だけでなく、従業人の給与、営業所の維持管理時、
グラウンドや豪華な従業員施設、社員専用の飲食施設や
接待用飲食施設、サークル活動費、保養所など、

要するに東電が「費用なんです」と言うもの全て
何でも盛り込める計算方法を言う。

全ての費用をコストに転嫁することができる上に、生活に
必須のエネルギーとして供給側の安定を図るとの名目で、
投下費用を確実に回収でき、一定の利益率まで保証されている
という、決して赤字にならないシステム。

このために、日本の電気料金は
世界標準の2倍高い23円/kWhとなっている。

本来は、企業の営業努力で得る「利益」から出すべきである
にもかかわらず、この部分も保障されたこの電気事業法に
守られて、電力会社はコストを考えることなく、
設備などを増強してきた。

どんなにコストをかけようと、必ず儲けが保証される。
むしろコストをかければかけるほど、儲けが大きくなるしくみ
なので、原子力発電所など
高価な設備をつくればつくるほど儲かることになる。

しかも、電気事業法は電力会社の地域独占も認めている。
沖縄を含め全国を10のブロックに分け、それぞれの地域内では
特定の電力会社以外、電力を売ることができなかったから、
電力会社には市場で競争するライバルがいなかった。

市場の競争原理にさらされることがなかったから、
コストダウンの発想が無い。
普通の民間企業ならば利益を生み出すために必死でコストを
削減する努力をするはずだが、電力会社はどんなにコストが
かかろうと、法律によってあらかじめ利益まで保証されている
のだ。


もっとも、総括原価そのものは電力以外に鉄道、ガスなど
他の公共料金算定にも適用される方式でもある。
公共料金がこの方式を採用したのは、かつて国民経済の
底上げと安定を必要とした日本政府が、まずはそれを
公共料金の設定から促していこうとしたもので、
戦後、経済復興をはかるために、公益性の高い電力事業を
基幹産業として保護育成するためにとられたこの政策、
日本が経済発展をするためには一定の歴史的役割があり、
一定の役目を果たしてきた。

しかし、こんにちのように産業が高度化し、多様化している
現在、エネルギーも石油やガスなど多様化しているわけで、
電力だけが優遇されている電気事業法の仕組みは、
歴史的使命を終えている。


莫大な金を得た東京電力は、その金で多数の不動産を
買い込み、信じられないような金額の広告宣伝・渉外費を
メディアに流し込み続けるなど、桁外れの資産蓄積と
 「報道機関の与党化」対策を実施してきた。

その放漫経営が金権主義を招き、それが今回の原発事故を
引き起こす遠因にもなったと言える。

東電の「水増し原価6000億円」の内訳の多くが
広告宣伝費や業界団体への会費、寄付金などであることは
犯罪的であり論外だが、この会計方式だけを論じて「悪法」
としても問題解決とはならない。

問題は、公共機関であるにもかかわらず莫大な利潤を
捻り出す「原子力発電事業」の特殊性への認識こそが重要で、
問題は「儲かる原発」ということに莫大なカネ=利用者からの
徴収金から転嫁してきたことなのだ。

巨大な非人間的リスクと、国庫出動分も含めた
巨額コストをかけなければ維持・推進できない原発が
電力会社の巨額資金を支え、その巨額資金が
原発の維持・推進に費やしてきた「会計装置」として
総括原価を利用してきた歴史。

その電気料金の中の原発コスト。
その観点から総括原価方式制度の見直しを
図らなければならない。

« アマデウス・ソサイエティー管弦楽団第 37回  演奏会 山田和樹さん~「英雄の生涯」     三船優子さん ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 | トップページ | 河村尚子さん ピアノ・リサイタル in 所沢 »

ブログ HomePage

Amazon DVD

Amazon 本

最近のコメント

最近のトラックバック