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2011年8月26日 (金)

もう一度 児玉龍彦 教授について

8月14日付けで、東京大学アイソトープ総合センター長の
児玉龍彦教授が7月27日 衆議院厚生労働委員会における
参考人として報告、熱弁した内容の主旨を書いた。

前回書いた中の衝撃的だった点はこうだ。

 「熱量からの計算では広島原爆の29,6個分に相当する
  ものが漏出している。
  ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算される。
  さらに恐るべきことに、放射線の残存量は一年に至って
  原爆が1000分の一程度に低下するのに対して
  原発からの放射線汚染物は10分の一程度にしかならない。
  チェルノブイリと同様原爆数10個分に相当する量と
  原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が
  まず考える前提となる」

他にも重要な点はたくさんあったので、以下 再度
重要な点を整理、追記しておきたい。


 「放射線の総量が少ない場合にはある人にかかる濃度だけを
  見ればいいのだが、総量が非常に膨大にある場合は
  こう考える。
  すなわち、放射線という粒子の拡散は非線形という科学になり
  我々の流体力学の計算でも最も難しいことになるのだが、
  核燃料というのは要するに砂粒みたいなものが合成樹脂
  みたいな物の中に埋め込まれていて、
  これがメルトダウンして放出するとなると細かい粒子が
  沢山放出されるようになる。
  そうしたものが出てくると、どういうようなことが起こるかが
  今回の稲藁の問題」


 「観測した各地のこの数字というのは決して同心円上には
  いかない。
  どこでどういうふうに落ちているかはその時の天候、それから
  その物質がたとえば水を吸い上げたかどうか。
  我々が見るのは何をやらなければいけないかというと、まず、
  汚染地で徹底した測定が出来るようにするという事を保証
  しなくてはいけない。

  我々が5月下旬に行った時先ほど申し上げたように
  1台しか南相馬に無かったというけど、実際には米軍から
  20台の個人線量計が来ていた。
  しかし、その英文の解説書を市役所の教育委員会で
  分からなくて我々が行って教えてあげて実際に使いだして
  初めて20個の測定が出来るようになっている、
  これが現地の状況」


 「私は小渕総理の時から内閣府の抗体医薬品の責任者
  でして、今日では最先端研究支援というので30億円を
  かけて抗体医薬品にアイソトープを付けて癌の治療にやる。
  すなわち人間の体の中にアイソトープを打ち込むという仕事が
  私の仕事ですから内部被曝問題に関して一番必死に研究
  している。

  内部被曝というものの一番大きな問題は癌。
  癌がなぜ起こるかというとDNAを切断する。
   (中略)
  そのために、妊婦の胎児、それから幼い子ども、
  成長期の増殖が盛んな細胞に対しては放射線障害は
  非常な危険をもつ。
  さらに大人においても増殖が盛んな細胞、たとえば
  放射性物質を与えると髪の毛、それから貧血、それから
  腸管上皮のこれらはいずれも増殖分裂が盛んな細胞
  でしてそういうところが放射線障害のイロハ。

  プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいる
  というのを聞いて、私はびっくりしたが、
  α―線はもっとも危険な物質。
  それはトロトラスト肝障害というので私ども肝臓医は
  すごくよく知っている。
  内部被曝というのは先程から一般的に何ミリシーベルト
  という形で言われているが、そういうものは全く意味が無い」


 「I131は甲状腺に集まる。トロトラストは肝臓に集まる。
  セシウムは尿管上皮、膀胱に集まる。
  これらの体内の集積点をみなければ全身を
  いくらホールボディースキャンやっても全く意味が無い。
  α―線は近隣の細胞を傷害する。
  その時に一番やられるのはP53という遺伝子で、
  我々は今ゲノム科学というので、人の遺伝子、
  全部配列を知っているが、
  一人の人間と別の人間は大体300万箇所違う。

  なので、人間同じとしてやるような処理は
  今日では全く意味が無い。
  いわゆるパーソナライズド・メディスンというやり方で
  放射線の内部障害をみる時も、どの遺伝子がやられて、
  どういう風な変化が起こっているかという事をみる
  ということが原則的な考え方として大事」


 「0.5μシーベルト以下にするのは非常に難しい。
  それは、建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染
  されていると空間線量として1か所だけ洗っても
  全体をやる事は非常に難しい。
  我々アイソトープ総合センターでは現在まで
  毎週700キロメートル、大体一回4人ずつの所員を派遣し、
  南相馬市の除染に協力している。
  南相馬でも起こっている事は全くそうでして、
  20K、30Kという分け方が全然意味がなくて、
  その幼稚園ごとに細かく測っていかないと全然ダメ」


 「その、南相馬で中心地区は海側で学校の7割で
  比較的線量は低い。
  ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校に
  スクールバスで毎日100万円かけて子どもが強制的に
  移動させられている。
  このような事態は一刻も早く辞めさせてください。

  いま、その一番の障害になっているのは、
  強制避難でないと補償しない、としていること。
  参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と
  海江田経済産業大臣がそういう答弁を行っていますが、
  こういうことは分けて下さい。
  補償問題とこの線引きの問題と子どもの問題は
  直ちに分けて下さい。
  子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします」

以上。

なお、後日、他のところでのインタビュー記事を読んだが、
次の点も強く進言している。

1.放射線や地下水への漏出を遮断できる
  障壁「人工バリアー」を地下に建設し、
  セシウム汚染土壌の処分場とすること

2.ガンマカメラやCCDカメラを使ったベルトコンベヤーによる
  食品検査システムの開発と加速化を早期実現すること

3.無人ヘリコプターを使った地上10メートルからの
  放射能汚染マップの作成をすぐ行うこと


今後、政府が児玉教授の指摘を無視するようなことがあれば、
それは国民に対する重大な裏切り行為、背信行為と言える。

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