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2011年8月31日 (水)

オリンパス訴訟 第二審 やっと「まともな」判決

会社内の内部通報制度を利用して、よかれと思って行動したことが
あろうことか窓口者の有り得ない裏切り行為を発端に、
被通告者(問題該当者)と会社全体が「敵」に回ってしまった
不幸な事件であるオリンパスとその社員の間で争われている
裁判の一審=東京地裁でのバカげた判決内容については、
2010年1月16日と1月24日付けで書いた。

事件を再度簡単に書くと、上司による取引先社員の
引き抜き行為を社内のコンプライアンス窓口に通報したところ、
不当な配置転換を命じられたとして、
精密機器メーカー「オリンパス」(東京都新宿区)社員の
浜田正晴さん(50歳)が、同社側に配転先で働く義務のない
ことの確認などを求めたのがこの訴訟で、
 1審=東京地裁は、
原告の浜田正晴さんの通報について、
「異動による浜田さんの不利益はわずかで配転命令は
 報復目的ではない」と指摘し、
コンプライアンス窓口の担当者が上司に連絡したことも
 「浜田さんの承諾があり、社内規定に反しない」
などとして、浜田さん側の主張を全面的に退け、会社の勝訴
としたものだ。


当然、浜田氏は控訴。そして、このたび控訴審判決では
やっと「まともな」判決が出た。

この控訴審で、東京高裁は31日、
浜田さん側の逆転勝訴の判決を言い渡した。鈴木健太裁判長は
 「配転は業務上の必要性と無関係で、人事権の乱用」
と述べ、事実上の報復人事にあたると判断した。

判決によると、浜田さんは検査機器の営業を担当していた
2007年6月、上司が取引先の社員を不正に引き抜こうとして
いることを知り、その上司に再三やめるよう進言したが
聞き入れてくれなかったことから、
 「上司の行為は信頼失墜を招く」と社内の正規の制度を
利用してコンプライアンス窓口に通報した。

ところが、あろうことか、その窓口担当者が、
通報内容などを上司や人事部に伝えたため、その後、


浜田さんは
 ①別の部署に三回にわたって異動を命じられ、
 ②人事評価では最低評価を付けられ、
 ③新卒者にやらせるような「テスト」などを受けさせられた、
など、実質的な「嫌がらせ」、「退職勧奨」を受けるに至っていた。


窓口者が上司に伝えたことを、会社は「浜田さんが承諾した」
としたが、当人は当然否定。
今回の2審=東京高裁は「浜田さんの承諾はなかった」として
社内窓口の守秘義務違反を認定。
さらに配転について「上司が内部通報に反感を抱いて行ったもの」
と指摘し、通報者に不利益となる扱いを禁じた社内規定に反すると
判断した。

さらに配転後の勤務状況について、
 「達成が難しい業務目標を設定し、(浜田さんが)できない
  ことをもって極めて低い評価をした」と指摘。
2度目の配転以降、新入社員同様の学習とテストを受けるだけの
状態に置いた点も、
 「50歳となった原告への嫌がらせにあたり、違法だ」
と批判した。
こうした点から、会社と上司に対し、配転による賞与減額分と
慰謝料など220万円の支払いを命じた。


【企業の報復行動に厳しい警鐘】
東京高裁判決は社内窓口の守秘義務違反を指摘し、
配転後の勤務実態などをふまえて通報と配転の因果関係を認めた
ことで、「善意」の内部通報者に対する企業側の報復行為や
制裁を戒めたと言える。

やっと、「もともな」判決だ。

一審の裁判官には 浜田氏になりかわって、

 「ちゃんと世間を勉強して反省しろよ」

と言いたい。

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