加納悦子さん リサイタル in 津田ホール
メゾ・ソプラノの加納悦子さんのリサイタルを聴いた。
「二期会ゴールデンコンサート in 津田ホール」とする
シリーズのVol.33として登場。
テレビで観た「トリスタンとイゾルデ」でのヴランゲーネ役に
感動して以来、注目してきた。
昨年12月には東響の第九ソリストとして小林沙羅さんらと
歌われたが、ソロリサイタルを聴いてみなければ始まらない。
メゾ・ソプラノという声質上、選曲もソプラノ歌手より
地味目(?)になるし、声自体も流麗さとかハデさという要素は
少なく、また、特に加納さんの場合、ドイツの近現代物に
造詣が深いから、必然的にプログラムもそうした内容による。
ピアノは長尾洋史さん。
前半が
1.ベートーヴェン作曲「アデライーデ」作品46
2.ハイドン作曲「さすらい人」
3. 同 「人魚の歌」
4.メンデルスゾーン作曲「新しい恋」作品19-4
5.アルバン・ベルク作曲の歌曲から6曲
①「わたしのまぶたを閉じてください」
②「深い憧れ」(若き日の歌から)
③「夢」(同)
④「彼は春の花の命は短いと嘆く」(同)
⑤「甘き人」(同)
⑥「四つの歌」作品2
後半は
6.長尾さんのピアノソロで、ベルク作曲 ピアノソナタ 作品1
7.ベルク作曲 歌劇「ヴォツェック」から演奏会用編曲版
8.シェーンベルク作曲の歌曲から5曲
①「期待」(「四つの歌曲」作品2-1から)
②「ガラテア」(キャバレーソングから)
③「満足した恋人」(キャバレーソングから)
④「婚礼の歌」(「六つの歌曲」作品3-4から)
⑤「自由な優しさ」(「六つの歌曲」作品3-6から)
アンコール
1.メンデルスゾーン「歌の翼に」
2&3.ベルク 歌劇「ルル」から2曲
冒頭で、声質的にハデさとは異なると書いたが、
それでも4などではある種豪快に、スケール大きく
歌いあげて素晴らしかった。
それでもやはり「本領発揮」というと、5、7、8といった曲に
なるだろうし、実際、声とドイツ語のイントネーションから
創り出される表現の奥行きの深さとも言うべき味わいの
ある歌唱だった。
「地味」かもしれないが、良質な飲料をじっくり味わいながら
楽しむということに似た素敵な時間と空間を創り出していて
素敵だった。
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