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2011年1月29日 (土)

川久保賜紀 遠藤真理 三浦友理枝 東フィル ベートーヴェン 三重協奏曲

「響の森クラシック・シリーズVol.35」と題された
東京フィルハーモニー交響楽団の演奏会を
文京シビックホールで聴いた。指揮は円光寺雅彦さん。

以前から注目し、フィリアホールでのトリオ演奏会についても
感想を書いたことのある、若手人気奏者によるトリオの3人、
ヴァイオリンの川久保賜紀さん、チェロの遠藤真理さん、
ピアノの三浦友理枝さんを迎えて、
ベートーヴェンの三重協奏曲 作品56が演奏されることを
知ったためだ。

この曲は曲想的にはとりたてて派手な内容ではないにも
かかわらずソリストを3人必要とすることから、録音も少ないし、
いわんや実演を聴く機会はめったにない。
しかも、(男のソリストだけでももちろんいいが)
若く優秀な女性が3人ということ自体、俗に言うなら、
見た目的にも 「華があるステージ」だった。

 プログラムとしては、まず3人だけで、

1.モンティの有名な「チャールダーシュ」を演奏

2.オーケストラが入って三重協奏曲

 これだけでも十分に魅力的なプログラムだが、休憩後は、

3.オケだけでチャスコフスキー「眠れる森の美女」からワルツ

4.遠藤さんのソロとオケでエルガーの「愛の挨拶」

5.川久保さんとオケでサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」

6.最後はオケでラヴェルの「ボレロ」

 という盛沢山の素敵な演目だった。

2 についての感想
 第1楽章~第3楽章のいずれもソロとしてはチェロから入って
  くるこの曲。
 遠藤さんはそれぞれの楽章の冒頭からとてもエレガントに
  歌っていて良かった。特にラルゴの第2楽章が素敵。
 川久保さんは全体的にはアンサンブルに徹した確固とした演奏。
  表現的には第3楽章が積極さが増してとても良かった。
 三浦さんのピアノは意外と言ったら失礼だが非常に美しい音で、
  ソロアンサンブル全体を牽引していた。
  特に第1楽章での充実感は素晴らしかった。

4について
 遠藤さんはここでも柔らかくエレガントで素敵な演奏を聴かせて
 くれた。

5について
 川久保さんの実力が如何なく発揮された。
 音量は控えめながらも、鮮やかとしか言いようのない見事な
 技巧でこれこそプロフェッショナル、それも
 「ソリストとして国際的に生きていけるレベル」とはこういう
 ものか、ということを大いに聴衆に知らしめたのだった。
 有名な第2楽章(にあたるところ)はもちろん、第1楽章(同)
 でもデリケートと言えるほど抒情的なアプローチではあったが、
 技術的にも「大人な表現」と言える。
 そして終楽章のアップテンポはオケよりも敢えてどんどん先に
 行くかの、捲(まく)し立てていくかの積極果敢なフレージングが
 魅力的だった。
 もっとも、そう言うと、粗っぽいイメージが沸くがそうではなく、
 むしろスッキリすぎるくらいの十分歌うが粘らないアプローチで
 常に気品をもった演奏をするという印象をもった。
 素敵な奏者である。

6について
 プログラム最後の「ボレロ」もオーケストラの個々の奏者が
 優秀で、とても楽しめた。


ホールについて
 文京シビックホールでの演奏会拝聴は2回目だが、音響は良い。
 ステージも広め。

全くの余談=もう1人の「長谷川陽子」さん
 それと余談だが、東フィルのチェロ奏者の中に長谷川陽子さん
 という団員がいるが、もちろんソリストとして有名な陽子さん
 とは「別人」である。
 いつだったか、陽子さんが客演した際、オケの人から
 「これがウチの(当団の)長谷川陽子です」と紹介され驚き、
 打ちあげで大いに盛り上がったということを陽子さんが
 自身のブログに書かれていて楽しく読ませていただいた。
  フワッ(?)とした感じのところが似ていなくもなくて、
 この日も「ああ、確かあの人だよな」と思しき奏者が
 しっかりとチェロパートで弾いていたのだった。

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