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2011年1月28日 (金)

師弟 出会い 心から心へ ~ 2つのTV番組から

  「スーパーオペラレッスン」から
バーバラ・ボニーさんが指導する公開TV
「スーパーオペラレッスン」での4回目(Lesson 4)は
バリトンのオーウェン・ジルフーリー氏へのレッスン。
既にイギリス、コヴェントガーデン王立歌劇場等、いくもの
オペラに出演経験のある人。
「ラ・ボエーム」の第4幕のアリアの指導。とても優秀な歌手で、
ボニーさんも「教えることがあまりないくらい」と最初に
言ったほど。
もちろん、レッスンが進んでいろいろと指摘をしていくのだが、
その指導する言葉自体が非常に文学的というか、
さすが言うことが違うなと感心しきりで観ていたし、
ビルギット・ニルソンやカラスの例に触れる点も関心が
そそがれた。

それより何より、単に技術的な指導というより、「生徒」に対する
愛情というか温かいまなざしが常に感じられて、「誉める」ことを
基本に置いた指導が素敵だった。

高音でうまく歌えなかった部分へのコメントののち、
ジルフーリー氏が非常にうまく歌え、客席の聴衆というより
レッスン聴講者たちから大きな拍手が起きたのだが、
氏はピアノ側を向いたまましばらく振り返えらなかった。
感極まって涙ぐんでいたのだ。

この流れの中に、指導する者と受ける者とのいわく言い難いほどの
ヒントの伝達がなされ、それがまるで神の啓示のように「生徒」の
歌唱に宿った、とも想像できる、いわば絶大な信頼関係が
瞬間に生じた場面だったと言うことができると思う。

そしてもう一度、ジルフーリーさんが歌うと、今度はそのあまりの
素晴らしさに先生であるボニーさんが涙を浮かべて聴いていた
のだった。
とても印象的な場面だった。


  「Aスタジオ」から 
鶴瓶さんが司会を務める23時からのTBS「Aスタジオ」の
ゲストは黒木メイサさん。
印象的だったのは昨年他界されたメイサさんの師匠の
「つかこうへい」さんに話が及んだとき、
メイサさんが思わず涙ぐんで絶句してしまった場面だった。

彼女の「今の自分が「在る」のは、つかさんのおかげ」という
隠しようもない感情が伝わってきて感動的だった。
また、「風のガーデン」で共演した中井貴一さんとの
信頼関係~緒形拳さんが亡くなったときのこと~や、
番組の最後、恒例のゲストがセット裏にさがってから
鶴瓶さんが客席に対話の中では触れなかったゲストに
関するエピソードや鶴瓶さんの考えを述べるところで、
最近実父を亡くされたメイサさんに対して中井貴一さんが
本当の親のような感情を持っているエピソードが紹介
されたとき、舞台裏でモニターでそれを見、聞いていた
メイサさんが声を抑えながらも号泣するシーンも
極めて印象的だった。


  2つの番組から感じたこと
音楽家にしても役者にしても、1人でできることとそうでないこと
が当然ある。また、アーティストとして、あるいは人間として
成長する過程で、大きくその支えになる人が存在することがある。
もちろんこれは芸術家に限らないだろう。

師匠や先輩の温かな指導、技術的なアドバイスのみならず、
精神的な部分において信頼してくれて応援してくれる人の存在は
大きく大事で、そういう出会いがある人と無い人とでは
決定的な違いが生じるであろうことは容易に想像できる。

この日の夜の、直接的には全く関係ない2つのテレビ番組で、
全く偶然ではあるが、そうした「感謝の念からの涙」を見れた
ことに、私も深く感動したのだった。

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