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2010年11月28日 (日)

政治家の失言と資質について

1.「暴力装置」発言について
仮に学説等で既に知られていることであっても、あるいは地元の
支持者によるパーティーという「おらが大臣としての、のんびり
できる状況」であっても、
政治家として表だっては絶対に言ってはいけないことはやはりある
と思う。

多くの識者が既に言及しているとおり、マックス・ウェーバーが
軍隊について「暴力装置」という言葉を使用して解説いることは、
政治学を少しでも学んだ人間なら「常識的に」知っている。
しかし、だからと言って、国会の質疑応答の場でそうした知識を
ひけらかす(?)あるいは配慮を欠いて無頓着に引用して説明
してよいか?と問われれば、答えはもちろん「ノー」だと思う。

また、ある人が新聞の投書で(直接的に軍隊についてではないが)
政治権力という言葉について、
「広辞苑によると、政治権力とは、社会集団内で、
 その意思決定への服従を強制することができる排他的な
 正統性を認められた権力。
 普通、政治的権威、暴力装置、決定と伝達の機関を持つ。
 その最も組織化されたものは国家権力である。政権」
とある、と解説していたが、それはそうであっても、
だからと言って、現在の日本の状況下で、自衛隊の説明、
その存在に関する認識を問われた場合、隊員とその家族はもちろん
私たち国民への「常識的な配慮」をせずに、機械的に「暴力装置」
という単語を持ち出しては議論が混乱するだけで、
何のプラスにもならない返答であることは明白である。

1つだけ仙谷さんを敢えてフォローするなら、自民党ら野党議員が
言う、「仙谷さんは学生時代、全共闘運動していた(いわば左翼だ)
 からだろう云々~」という発言は「全く的外れもいいとこ」の
「しょうもない発言」で、「今更持ち出すなんてバカじゃないか」
と思う。
だいたい、学生時代は、むしろそのくらい元気があったくらい
のほうがよほど「面白い」し、仙谷氏だけでなく、
参議院の前議長 江田五月さんはその「代表格」だし、
現職の衆議院議長の横路孝弘氏も江田さんの
「同僚有名学生戦士」だったことを知らないのだろうか?

1960年代前半を代表する学生闘志は江田五月さん、
60年代後半は同じく山本義隆さんということくらい、
当時ヨチヨチ歩き~小学生だった私でも知っていることだ。


2.柳田 稔 前法務大臣
地元の支援者集会という「もっともくつろげて、殿さま気分で
いられる状況」にあったとはいえ、「法務大臣は楽なんです。
次の2つの言葉を覚えていればいいんです」
 「個別の事案についてはお答を差し控えさせていただきます」
 「法と証拠に基づいて適切にやっております」
まあ、支援者向けの冗談、リップサービスの要素はあったのだろう
が、それにしても軽率の誹(そし)りは免れないなあ、というところ。

【法務大臣たる資質について】
それよりも、なぜ氏が任命されたのか?東大卒といっても理系。
別に法学部でなきゃダメなわけではもちろん全くないが、
少なくとも国会議員になってから、法務関係の仕事に従事した
経験がなければダメだろう。
それはご本人が一番解っていたようで、実際、「呼びこみ」が
あった際、総理に「法務大臣ですか?」と驚いて尋ねたという。

「本人が受けてはならなかった」
それでも受けたのは「大臣さま、という名誉に与(あずか)れる」
という個人的な感情レベルからのもので、別に
この国の置かれた法務に関わる多くの問題について
「何とかしたい」という意欲など皆無であったと想像できる。

「なぜ、<そういう人>を任命したのか?」
任命者の責任は重大である。要するに「派閥力学」だろう。
それは「自民党のお家芸」であり、野党時代にあれほど
そうした組閣人事を批判してきた民主党は、いざ政権をとると
同じ力学に振り回されるという堕落醜態を演じるのか?
法務大臣になる人はそれなりのリーガルマインド、
法務業務に携わった経験等、「本当に相応(ふさわ)しい人」
がならずしてどうするのか?

【お役所言葉】
お役所言葉は「表立っては論理的に聞こえるが、
中身の何にもない、全く意味の無い言葉の典型」だ。
しかし、他方では実際のところ、
「それを使ったほうがその場面では一番対処しやすい」
ということも多分あるはずで、そうすると、先の2つの言い回しは
今後、誰においても使い難くなったことだろう。
どうするのか?は「見物」だ。

【辞任の必要性について】
賛否は分かれた。田原総一朗さんは、
「自分を卑下して地元で言ったことだ。なぜ辞任するのだ?」
と疑問を呈していた。
ただ、私は、この2つの言葉云々による辞任ではなく、
そもそも法務大臣の資質を欠く、すなわち、
「そもそも法務大臣になってはいけなかった人がなった」
という点を「修正」するという意味から、「辞任」でいいと思う。
当然というより適切な処置。
だって、任命したこと自体がミステイクだったのだから。

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