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2010年8月 5日 (木)

非常識な料金設定 ~ アマチュア演奏団体のチケット料金を考える

フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団も比較的優秀な
アマチュアオーケストラで、過去3度拝聴している。
そのオケが今月7日、サントリーホールでマーラーの第3交響曲を
演奏するのだが、チケット料金を見てとても驚いた。
「上」が4000円もするのだ。もう1種が3500円。
アマチュアオケの演奏会で私はかつて一度も見たことの無い
料金設定だ。

アマオケ最高峰の新交響楽団でさえ上限を3000円で抑え、
ほか1500円と2500円を交えての3段階としている。
6月6日のブログで激賞した東京アカデミッシュカペレも、
合唱団と女声ソリスト1名を交えた演奏会で、新響と同じく
上限を3000円、他2500円と2000円の3種していたし、
このブログの1つ前のところで激賞したオーケストラ ハモンの
演奏会は2000円、1500円、1000円の3種としていた。


ところで、今回のフィルハーモニックアンサンブル管弦楽団の
料金設定に関する感想を述べる前に、まずは基本的なことに
触れておきたい。
「アマチュア」である以上、一般的なイメージだけでなく
本質的な面からしても演奏会は「無料」とすべきが「本来」
のはずだが、現実問題としては限りなく難しい。
団の活動や演奏会においてはまず実費がかかる。
すなわち最も端的なものはホールの使用料。その他、本番での
指揮者への謝礼のほか、いわゆる下振りをお願いする
トレーナーのかたへの謝礼、あるいはプログラムに
協奏曲や声楽のソロを伴う曲がある場合は、ソリストへの謝礼、
また、曲によりハープやサクスフォーン等、普段、日常的に
一般団員が使用しない、いわゆる特殊楽器が必要な場合は
その奏者(エキストラ)への謝礼、などなど、どうしても
月々各人が納める「団費」だけでは収支上苦しいのだ。

こうしたことから、私が所属する団体の演奏会では毎回
一律2000円でお願いしているし、一般的にはそのくらいの
値段が多いのが現状。
もっとも、「できたてのオーケストラ」の場合は当面、無料や
せいぜい500円程度で演奏会開催することが多いし、あるいは、
歴史があるオケでも区や市等からの補助金がある組織の場合は、
無料や500円~1000円以下で収めているケースが多い。
そうでない、特別公的な補助の無い大多数の
アマチュアオーケストラは、現状、1000円~2000円
にチケット料金を設定しているのが現状である。

いずれにしろ、要するに(当たり前のことだが)
「儲(もう)け」のための有料化ではなく、実質的に経費負担に
 関して、お客様にその一部をご負担いただいている」
というのが各団共通の実情である、とご理解いただいて
間違いないと思う。


さて、今回のフィルハーモニックアンサンブル管弦楽団の場合、
以下はもちろん全て推測の範囲での考察だが、
まず第一の直接的な理由としては外人指揮者を招聘したことが
大きな理由と思われる。
ただ失礼ながら、カルロス・シュピーラー氏については
私はこれまでその名を全く知らなかったし、客観的にも
特別有名な指揮者ではないと思う。
なぜ「わざわざ<外人指揮者>を招聘したかは」は知らないし、
もちろん団の勝手と言えばそのとおりだ。
それ自体に関しては他者が文句を言う筋合いは全く無い。

もう1つの要因として考えられるのは、サントリーホールを使用
する点だろうが、新交響楽団が同ホールを使用した際の料金も
先述と同じだったはずで、少なくも4000円や3500円という
設定はしていなかった。

もう1点は女声のソリスト1名と、女声合唱団、児童合唱団、
という「外部者」の関係があるだろうが、例えば
5月に東京文化会館で同じマーラーの3番を演奏した
水星交響楽団が設定した料金は「一律1000円のみ」だった。
東京文化会館は収容人員が多いといっても、アマオケでは
めったに満員にはできないし、実際そうなってはいなかったと
思うから、「東京文化会館だから1000円で事足りる」
ということでは無かったはずと想像できる。

こうしたことから、やはり外人指揮者という点が一番大きな要因
なのだろうと想像できるのだが、実はもう1点、
次ぎのようなやや「穿(うが)った」推測ができるのだ。

フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団は海外公演を何回か
経験しており、昨年もアムステルダムでマーラーの2番「復活」を
演奏しているし、今年の秋もミラノに行くようだ。
どうしてアマオケが毎年のように海外に行かねばならないのか
理解できないが、それもまあ「勝手でしょう?」と言われれば
返す言葉は無い。

しかし、もし仮に、
その「渡航費用稼ぎのためのチケット代上乗せ」
だとしたらどうだろう?
その関係で高額な料金しているとしたら、アマチュアオーケストラ
とはやはり「本末転倒」と言わざるをえない。

いずれにしても、いかなる理由、いかなる事情があるにせよ、
現在の経済状況下において、あるいはアマチュアオーケストラと
プロオケの水準やその他の関係状況に鑑みても、
アマチュアオーケストラが演奏会で、チケット料金に
4000円の値を付けることは 「有り得ないこと」、
いや、「許されないことだ」、と私は率直にそう思う。

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