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2010年8月25日 (水)

不正をしてまで「上場」して どうするのだろう?

この日、東京証券取引所は、マザーズ上場会社の
(株)シニアコミュニケーションズを9月25日をもって
上場廃止にする決定を東証ホームページにて開示した。
理由は要するに「粉飾決算」。
それも上場後どころか、上場前からの2004年3月期から
2010年3月期の第3四半期における連結累計売上高68億円
のうち22億円が「取り消される」ことを含む、
売上前倒し計上、架空計上等、デタラメ財務報告を行っていたこと
による。
したがって、当然、「上場申請時の数字=業績はデタラメ」
ということになる。

東証マザーズ上場前からの不正、といえば、誰もが5月の「事件」
である(株)エフオーアイのケースを思い出すだろう。
同社にしても今回のシニアコミュニケーションズにしても、
誰もが思うのは、
①東証の審査ってそんなに杜撰(ずさん)なの?
  そのなに「簡単」なの?という疑問。
②主幹事証券は何をやっていたの?という疑問。
③そもそも会計監査人である監査法人もしくは専任の公認会計士
  は何をやっていたの?という疑問だろう。

もちろんこれに(特に上場後は)
④監査役の責任はどうよ?ということがある。
  ちなみに、日本ではこれまで監査役の責任が
  「問われなさすぎる」。
  監査法人に対しては昨今厳しい判例が出始めているので、
  昨今、監査法人は相当「慎重に」なってきているが、
  監査役が「深刻な度合で」責任を問われたケースというのは
  稀だ。


さて、その①については毎度、「審査には限界がある」という、
ある意味では信じられない「言い訳」が続いている。
エフオーアイ社のやったことなんて数字的に誰でも簡単に
わかりそうな内容であり、実際、一部の一般投資家の間からは
同社の上場直後だけでなく、上場前に出された情報の範囲に
おいてさえ、既に「FOI社はおかしい」という情報は多々発信
されていたほどだ。なんとも不思議だ。

②も、よりによってこの2つの会社の主幹事は、
 みずほインベスターズ証券、と共通している。
ある人がブログでさっそく皮肉を込めて
「みずほインベスターズさん、すごい「活躍」ですね」
と書いているのをたまたま見つけた。
確かに「たいした活躍」だ。
昔の証券会社の引受審査部門には優秀な人がいたものだが、
昨今は「適当」に審査している程度なのだろうか?
実に不思議だ。
「変な会社を上場させたら自分たちの信用問題になる」
くらいのことは小学生だって解るだろうに。
主幹事証券として上場さえた会社が2社も続けて
「不正行為による上場廃止」となると、
社長が辞任しても足りないくらいの大責任問題だと思うが。

そして③の会計監査人。
どれほどの「独立性」と「能力」と「責任感」をもって会計監査に
あたっているのだろうか?
本当に不思議だが、「ぐるになって」と考えるしか、
理解できないように思える。もちろんこれは②も同じだ。


なお、シニアコミュニケーションズ社は今年6月4日付けで、
「外部調査委員会による調査結果のご報告について」を公表し、
その外部委員会の調査報告書は実に詳細で真面目に調査した
内容となっており、山口利昭弁護士は氏のブログ
「ビジネス法務の部屋」6月4日付けで、
同報告書内容を「秀逸」と褒めているくらい綿密な内容だ。

それにしても思う。
「架空計上、粉飾決算などの不正行為をしてまで株式上場をして
 <どうしたかった>のだろう?」と。
結局、
「上場時に得ることができる創業者利潤だけが目当てだった」
としか思えないのだ。

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