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2010年6月15日 (火)

株主総会 入門 その⑨ 運用実践編その3 ; 当日編

前回6月1日には社内的な事前準備事項について書いた。
さて今回、いよいよ当日編となり、株主総会そのもの=本番対応編
として記載したい。

【当日の運営、対応】

1. スタッフの集合時間
平日に開催する会社の場合、多くは午前10時開会が多いので、
以下、それを基準に記載する。
なお、なぜ10時が多いかというと、9時では株主に早朝から負担
をかけることのほか、終了のメドである12時まで3時間もあり、
最長でも2時間で終えたい会社の「本音」からして好ましくない
こと、などの事情があり、要するに10時開会が一番適度な
開始時間といえるからである。
もちろん午後でも構わないが、長引いた場合、夜までかかるとも
ありうるから、実務的にも精神的にも好ましくないと言えるので、
平日開催の場合は10時が良いだろう。
さて、10時開会の場合、スタッフは少なくとも8時には集合し、
前回の6.看板、備品関係の章で書いたものが開会までに
全て整っているかどうかを確認する。

2. 役員の集合時間
役員も9時には会場の待機室に入るようにする。

3. 受付の開始時間と受付の重要性について
(1)受付開始も9時にスタンバイすることが好ましい。
  実際には9:30以降に株主が徐々に来はじめ、
  「20分前 前後にごったがえす」というのが実態だが、
  プロ株主や一般株主でも「文句を言ってやろう」と思って来場
  する株主はわざと早い時間に来て、「対応ができていない」
  とクレームをつける可能性もあるため、1時間前には
  スタンバイするべきである。

(2)受付の重要性
  私はこれまで50社以上の株主総会を直接見てきたが、
「受付を見れば、これから始まろうとしているその会社の総会の
 運営に係る全てのレベルがすぐ判る」
と自信をもって言える。
それほど受付の雰囲気や手際良さ等は重要である。

具体的には、
①会場全体の雰囲気作りはまず挨拶から、ということ。
 受付担当者全員、もちろん会場外や建物内の受付に至る途中に
 誘導担当者が立つ場合はその者も当然含むが、とにかく
 「株主様をお迎えするスタッフ全員がハキハキとして明るい応対
 をすること」が重要。
 大きな声で「おはようございます」。(「いらっしゃいませ」でも
 構わないが、会社によりその表現は使わないとする考え方
 もある)
 丁寧で親切なテキパキとした応対が、総会の成功を決定付ける
 と言っても決して大げさでないし、少なくともスタッフは
 そのくらいのき気持ちで対応しなければならないことを
 肝に銘じること。
②実務としても議決権の最終確認(〆)を行う、という重要任務を
 受け持つ。
 当日来場した株主の議決権を、前日までの集計分に加えて、
 最終数字として議長(事務局)に開会直前に知らせる必要が
 ある。したがって実際には開会5分前には打ち切り、
 そこでの数字を報告することになる。
 なお、その後も当然(開会後も含めて)来場する株主がいるので
 本来の最終数字はそれらの株主を含めた総出席者数が
 確定数となり、後日作成する株主総会議事録には
 その確定数を記載する。
 会場で報告(読み上げた)数字と異なるが問題ない。
 受付から伝えられた数字を、前回のシナリオで解説したとおり、
 議長ないし事務局が開会直後、会場内に報告する。
 (読み上げる)
 開催に必要な定足数や普通決議、特別決議については、
 5月21日のその⑦に記載したし、道具についても
 前回の6.を参照。

4. 事務局の入場
事務局の入場はそれほどカタク考える必要はない。
20分前 前後に適宜座って資料を確認するなどの
「ウォーミングアップ」をしておけばよい。

5. 役員の入場
(1)3分前には全員が入場を開始する、等、タイムスケジュール
 を決めておくこと。
 役員の人数が多い会社はもっと余裕があったほうがよい場合も
 当然ある。
(2)入場の際は、1人1人、一礼して席に向かうこと。
 また入場順は必ずしも序列順である必要なない。イスの配置で
 後列奥に座る人から等、状況に応じて順番を決めておけばよい。
(3)役員は席に着いたら、演台に立つ議長以外の全員、
 株主席をまっすぐに自然体で見据えている状態を保つことが
 好ましい。
 この点は老舗の大企業でも案外「だらしのない会社が多い」。
 手元に招集通知や回答用資料を置くことは構わないが、
 議長がシナリオを読んでいる間、ついつい目を下にやり、
 議長と同じシナリオ(写し)や招集通知に目をやってしまう
 という「気持ちは解る」が、株主席からの印象としては良くない
 ので、これを避け、先述のとおり株主側を見ている状態のほうが
 好ましいので、留意されたい。

6. 総会運営のポイント
基本は、議長の采配しだい。
言葉使い、マナー、何よりも誠意ある対応議長の心得等は
前回記載のとおりだが、再度ポイントを記す。
(1)言葉使い、マナー、何よりも誠意ある対応に徹する
(2)質問時間の長い株主や妨害行為的な言動をとる株主には
 議長権限で毅然とした対応をしてもよい。ただし、もちろん
 「軽々に退場命令を出してはならない」。
(3)そして、最大のポイントは、質疑応答の時間が長くなって
 きたときに、「それをどのタイミングで打ち切って、
 採決に入るか」、がにある(一定時間で収まるか、長引くか
 の分かれ目)。この点は再度後述する。

7. 質疑応答・・・総会のクライマックス
開会したら、議長用シナリオに沿って、シナリオについては前回、
6月1日に書いた。
(1)役員には回答義務が有る(会社法第314条)
「取締役、監査役は、株主総会において株主から特定の事項に
 ついて説明を求められたときは、必要な説明をしなければ
 ならない」。ただし、拒絶できる場合がある。
 (法314但書、施行規則71条)
拒絶根拠としては前回、「4.議長用シナリオ作成」の後段で、
「また、ご質問に関しましては、具体性に欠けるもの、会議の
 目的事項と関係の無いもの、ご説明することにより
 株主様の共同の利害を著しく害するもの、お手元の
 「招集ご通知」に既に記載のあるもの、会社の会計帳簿等
 を見なければお答えできない詳細な事項につきましては、
 誠に恐縮ながら、お答えいたしかねます」
と書いたが条文的に書くと、
①株主総会の目的事項に関しない場合
②説明をすることにより株主共同の利益を損なう(害する)場合
③説明するために調査を要する場合(ただし、相当期間前に
 会社に通知が来ている場合や、説明に要する調査が著しく
 容易な場合を除く)
④他の株主の質問と同一の事項について、繰り返し説明を求めて
 きた場合説明しないことにつき正当な理由がある場合」となる。

(2)回答者
回答者は議長に限らないことも、前回の「3.想定問答の作成」
のところで述べた。
その場合、議長がどの取締役に振るかを決めておくが、当然
通常は各担当(所轄)の取締役となる。
その場合も(取締役が多い会社の場合は)ある程度人数は
絞り込んでおいたほうがよいだろう。
取締役の回答については次のどれかになるので、
その基本策を決めておくこと。
 ① 議長オンリーで回答
 ② 議長をメインとするが、内容によっては担当取締役が回答
 ③ 担当役員が回答することを基本とする
また、監査役が回答する場合、監査役の独立性の観点からという
意味では誰でもよいが、通常は(指名でも無い限りは)
常勤監査役が回答するのが一般的と言える。

(3)質問の一般的傾向
① 業績・・・下方修正の原因、今後の見通し等を含む
② 株価に対するコメント
③ 配当政策
④ 役員報酬の内容、額、等
④ 会社の特性、個性、独自技術等
⑤ BS、PLで目立つ項目等
⑥ 株式分割等の予定
その他当然会社によっていろいろある。
特に新聞沙汰となったような案件がある会社は、その点に関する
詳細で具体的な回答を用意しておくのは当然。

(4)実際の質疑応答
法律上は前述の(1)のとおりだが、実際は杓子定規的に
回答拒否できるか?という問題がある。
すなわち、会社として回答しても特別(1)の①から④に抵触
しなければ、現実的には積極的な開示姿勢を示すという意味で、
だいたいの質問については「ある程度」答えるのが一般的と
言える。
要するに事実上「何でもあり」に等しいのだが、しかし
それでも(1)①~④に該当していれば断ってよい。

{質問例}
Q;この会場は立派すぎるのではないか?第○期の業績が
 悪かったのだから、もっと質素な会場にするべきだった
 のではないか?

さて、これについてどう答えるか?
回答にはその会社すなわち議長の誠意や事務局のセンスが
問われると言える。

(5)動議について
【動議の種類、内容と対応】
通常の質問とは異なり、議案またはその他に関して
「議事運営に関係してくる要求」を提言してくるものを言う。
質問なのか、動議なのか、判断しにくいものについては
株主に「どちらですか?」と聞いいちゃう手も「あり」。

詳細(受け答えノウハウ)の概要としては、
①手続動議・・・総会の運営、議事進行に関するもの(休憩要求、
 採決方法、議長不信任・交代要求、質疑打ち切り提案、等)と
②実質動議(議案の修正動議等)・・・定款変更、取締役・監査役
の選任・解任、同報酬額の変更があり、
必ず議場に諮って賛否を確認するものと、そうするかまたは
議長の裁量で拒否のどちらでもよいものがある。

①については基本的には議長の裁量権限で拒否できるが、
例外として議長不信任、総会の延期、会計監査人の出席要求
などは採決(議場に諮ること)を必要とする(必要的動議)。
②は(法令や定款等に反しないなどの例外を除き、基本的には)
議場に諮る必要がある。
ただし、議案の修正であって、新たにその場で議案の提出は
できないほか、②の中では取締役の選任議案の場合、候補
者以外の者(例えばその株主自身)を選任するようにとの
修正動議は提案としては認められるが、
議案に員数を示しているときはその範囲となるので、
自分を候補者としたい動議の場合、候補者の中の1名と
取って代わるという動議となる。
(○○氏ではなく、自分を候補者としろ)
また、その員数を減数する動議は構わないが、増員する動議は
認められない。

【簡単な対応策】
全て採決(議場に諮って)動議を否決してしまえばよい。
万一後日、違法性を問われるとしたら、
採決すべき動議を採決しなかった場合であり、採決しなくとも
よい動議を採決してももちろん問題にはならない。
(丁寧な対応というだけ)

なお、採決の際は会社に賛同する人が迷わないよう、
議長の言い回しが重要となる。
例えばこう表現で諮るとよい。
「ただ今、A株主様より○○○とする動議が提出されましたので
 皆様にお諮りします。
 わたくしとしましては原案どおりとしたく、動議には反対したい
 と思いますが、動議には賛同せず、原案のとおりとすることに
 ご賛成いただけるかたは挙手をお願いします」

【動議採決の必要要件】
ここで、「拍手を」としなかったのには理由がある。
動議の場合は、あくまでもその議場に出席している株主の判断
となるから、事前に届いている議決件数は考慮されない。
(投函者=欠席者は、そもそもそんな動議は想定していないし、
 内容も知らないから当然の理)
そこで、会社としては懇意の大株主に事前に
「いかなる動議等が提出されても会社の原案に賛成する旨」
を記載した「包括委任状」を持参して出席しておいていただく
配慮が必要となるので留意されたい。


8. 打ち切りのタイミング、採決
6の(3)に記載したが、どこで採決に入るか、が大きなポイント
(一定時間で収まるか、長引くか、の 分かれ目)
株主総会の「進行における主役」は、言うまでも無く役員すなわち
議長(通常、社長か会長)を中心とした取締役と監査役であり、
事務スタッフがどんなに全力で準備しても「黒子」の域は
出ないことは当然である。したがって、先述のとおり
株主総会の運営の「成否」は、ひとえに役員の「でき」いかんで
あり、とりわけ議長にその比重の大半がかかっている。
しかしむやみな心配は無用である。要するに極論すれば、
議長がいかに真面目に株主総会をとらえ、当日も誠意をもって
対応できさえすれば何の心配もいらないのである。

では、その「誠意を具体的なタイミング、手法で表すとするには
どうしたらよいか?」
Q.いつまでも質問を受け続けないといけないのか?
A.ある程度のところで、会社主導で打ち切れる
Q.では、どの程度か?
A.目安としては、質疑応答が始まってから、1時間を超えてきた
  場合(11:30以降)、タイミングを見て、議長より
  質疑を打ち切り、採決に入りたい旨、議場に諮った後、
  採決に入る。
  ただし、上記時間はあくまでも目安(参考)。
  そのころであっても、質問予定(待機)者がまだ相当数いる
  場合は安易に打ち切れないので注意を要する。
  要は、内容的にも時間的にも客観的に考えて
  「相応な質疑応答はあった」とできる内容かどうか、後日、
   「決議取り消しの訴え」を起こされても勝てる内容で
  あるか否か、ということが重要。


9. 終了宣言と新任・再任役員の紹介
(1)終了宣言
全議案の採決が終われば、来場の御礼と今後も引続き応援
(ご支援)願いたい旨とともに閉会を宣して総会は終了する。
なお、議長以外のほかの役員が座ったままでも悪くはないが、
多くの会社は議長が、
「それではこれをもちまして弊社第○○回 定時株主総会を閉会
 いたします。本日は誠にありがとうございました」
と言う直前に(それではこれをもちまして、のところで)
全員起立し、「ありがとうございました」で「一同礼」をするのが
一般的になっているし、そのほうが好ましい。

(2)閉会時間の記録
株主総会議事録に記載する関係で終了時間を正確におさえておく
必要がある。証券代行機関からも確認を求められるのが一般的。
終了時間は書きに記載する選任された役員の紹介終了時間よりも
閉会宣言までとするべき。
ただし厳格な規定はないので、会社により解釈が異なることも
あるかもしれない。

(3)選任された役員の紹介
最近では閉会宣言後、選任された役員の紹介をするのが一般的に
なってきている。通常は議長が、
「それでは先ほど選任されました取締役と監査役をご紹介いたし
 ます。まず、取締役の○○をご紹介します」とし、
当人が起立して「○○でございます。よろしくお願いします」
とシンプルに進行させることでよい。

10. 役員の退場
9での役員紹介が終了し、総会に係る全ての進行事項が
終了した際、あらためて議長が
「本日は誠にありがとうございました」と挨拶して、株主が散会
するのが一般的パターン。
ここでも再度9と同様、全員が規律して会釈してもよいが、
9で行っているので省いてもよいと思える。
また、会社によっては(出席株主が少ない場合は)、株主が
全員退場するまで着席しているケースもあるが、それだと大勢
出席しているような大会社では退席までに時間がかかってしまうし
そもそもそこまでは気を使う必要はない。
お別れ宣言後、順次退席していけばよい。ただし、
「だらだら」は避けたいので、入場時と逆の順等によるなど、
1人1人うやうやしく退席したほうが好ましいと言える。
「偉そうな、あるいはだらだらした態度で退席しない」ことのみ
に留意すればよい。

なお、昨年の6月11日、その③の最後にも書いたとおり、年々、
株主総会とは別に、総会後、株主とのもっと「ラフ」な
かたち(内容)での会社説明会や懇親会を開催する会社も
増えてきているし、とても良い傾向と言える。
内容や規模は会社によりマチマチで、軽い飲食物も提供する会社も
あるが別にその点はあまりこだわらなくともよいだろう。
メーカー等は自社製品の具体的な説明や販売なども考えられるし、
それぞれ独創的に工夫を凝らし、
「最高のIRの場であり、PRの場」として開催すればよいと
思う。もちろん、特別そうしたことはせず、シンプルに
総会だけでも良い。

【終了後の事務】
株主総会終了後は、事務かたとしてはすぐ証券代行機関に連絡して
「決議通知」、「株主通信」(旧事業報告書)の発送に係る。
ただし、この2点は昔から慣例的にほとんどの会社が実施している
ので「当たり前のこと」に思いがちだが、法定ではない。
義務はない。
ホームページ掲載に替える会社も少しずつ出てきている。
2週間内に議事録を作成して、定款目的の変更や役員の選任退任
があった場合はその登記をする必要がある。

また、5月21日、その⑦で記載した法定備置書類として、
株主総会議事録のほか、取締役会で役付取締役選任などのため
総会後に開催した取締役会の議事録などを備置することや、
「議決権行使書」も3ヶ月間保管しておかねばらない。

なお、「議決権」については法的な決まりではないが、
東京証券取引所は同取引所に上場している会社について、
賛否の結果だけでなく、その両方についての議決権数の開示も
総会後「すみやかに」「臨時報告書」によって提出=報告が求め
られるようになったので留意されたい。
そのほか、同月中までに「有価証券報告書(内部統制報告書を
含む)」を金融庁)財務局に提出する。
旧商法下では決算書類が総会で報告された旨の公告が
必要だったが、現在は有価証券報告書提出企業であれば不要
となっている。

今回は以上。

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