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2010年6月22日 (火)

日本経済新聞 文化欄 ダナイローヴァさん

1つ前では日経新聞朝刊の第一面のコラム「春秋」の内容に
ついて書いたが、ちょうど最初と最後の対称となる最後のページ
の「文化」欄に、ウィーン・フィルの女性コンサートマスター
(コンサートミストレス)のアルベナ・ダナイローヴァさんが
「ウィーン・フィルに新風」というタイトルで寄稿している。

彼女のことは昨年9月のウィーン・フィル来日時の際、
同月19日の演奏会を聴いた際の感想の中で書いた。
あのときは未だいわゆる「試用期間中」であったけれど、
今年3月、正式にウィーン国立歌劇場管弦楽団の
コンサートミストレスに就任したというから、
とにかくおめでたい。

もともとシュターツオパー(国立歌劇場)での応募であって、
ウィーン・フィルには歌劇場に2年以上在籍していないと
同歌劇場の自主運営団体であるウィーン・フィルハーモニー協会員
=ウィーン・フィルのメンバーとしては正規には活動はできないと
いう。
したがって、昨年の来日時は、歌劇場団員における試用期間である
と同時に、ウィーン・フィル奏者としてもあくまでも
「臨時に、仮団員的に」来日した「にすぎない」ということだ。
しかし、先述のとおり3月に歌劇場正団員になったので、来年には
「フィル」のほうにも入れるから、もう実質的には、
「ウィーン・フィル始まって以来初の女性コンミス」
という地位は確定したことになる。

ブルガリア生まれの彼女は同歌劇場の採用試験を初めて受けた
のは2007年の12月で、そのときは受験した人は全て不合格
だったとのことで、翌年、二度目の挑戦で見事合格した。
私は知らなかったが彼女によると、女性自体は彼女が史上初では
ないそうで、2000年以降徐々に入団者が出ており、
現在はヴィオラ、チェロ、ハープにも在籍しているそうだ。

別に女性がどう、というのではないが、ベルリン・フィルと
ウィーン・フィルは長く「男性のみのオーケストラ」であった
ことは事実で、女性の入団はベルリン・フィルが先行した。
現在は首席ヴィオラ奏者の清水直子さんほか、人数的にも
ベルリンのほうが多いはず。
もっとも、カラヤン時代の「ザビーネ・マイヤー事件」は「女性」
ということが主因での騒動ではなく、マイヤーの明るいトーン
について、当時の首席奏者カール・ライスターらのクラリネットを
中心とした奏者たちが複数、マイヤーの入団の異を唱えた
という点は真実のようだ。
団員として、団の独自のトーン全体のことを真剣に考えた結果、
ということは本当だと考えてよいだろう。
カラヤンが強引に入団を進めようとしたということもあったに
しても。

ともかく、特に「そういうことには保守的なウィーン」で、女性の
それも指揮者を別にすれば、団として、演奏に際して、最も重要な
ポジションであるコンサートマスターに就任した「衝撃」と
素敵な話題性という点では近年にない「快挙」ではある。
これからが楽しみだ。

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