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2010年3月 6日 (土)

NHK芸術劇場 歌劇 「ヴォツェック」

昨年11月23日でも書いた新国立劇場での話題の演目、
アルバン・ベルク作曲の歌劇「ヴォツェック」がNHK教育TV
「芸術劇場」で放送された。待望の放送。

劇場では生=ライブの良さがあるのは言うまでもないが、
歌手の細やかな表情などは見え難いし、歌手やオケの精度や
力量、成功度合を再確認できた。

ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」について、人はよく、
「音楽における調性崩壊の扉を開けた画期的な作品」という
音楽史的な面から言及するし、同作品が作品そのものの完成度と
して、歌劇というジャンルに限らず西洋史の中で「作品」としても
最も完成度の高い「音楽作品」であることは確かだと思うが、
調性という点ではまだまだ既存の和声をそれほど飛び出して
いるわけではないと思う。
思うに、「トリスタン」の個性と魅力は絶え間のないかのごとく
移ろう調整の変化とそこに込められた情念の歌のからみであって、
無機質な無調性を基盤とした音楽を目指したものではないと思う。

この「ヴォツェック」こそ、それまで綿々と続いてきた調性音楽
から「飛び出し」、全く異なる音の構成の中で初めて書かれた
偉大な作品であり、オペラに関しては同種の手法における
最初にして最後の最も優れたオペラだという確信を強く抱いた。

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