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2010年3月 6日 (土)

武智幸徳氏の文;浅田が見せた「涙の資格」に共感

3月1日の日本経済新聞夕刊に、同社の編集委員 武智幸徳氏が、
<浅田が見せた「涙の資格」>とし題して書いている文に強く共感
したので、簡単に感想を書きたい。
全部引用するのはマズイだろうから、要所をつまんで紹介したい。

氏はまずこう書き出す。
「一時期、五輪に出場する選手の間で「思いっきり楽しみたい」と
 いう言い回しがはやり、入賞どころか後ろから数えたほうが早い
 順位でも「楽しめました」という姿に猛烈な違和感を覚えた」、

と。まずここに同感、共感する。そして以下、こう続けている。

「さすがに最近の選手は狭量な自己中心主義を捨て、競技生活を
 支えてくれた人々への謝辞や雪辱を誓うようになった」

「(成績が下降線にあるから)このままいくと、最終的には
 (クーベルタン男爵の言う)「参加することに意義がある」という
 古典的な掛け声にすがるしかなくなるかもしれない。
 その危うさを教えてくれたのが、浅田真央選手だった。
 この銀メダリストに、頂点を目指した人間にしか流せない涙がある
 ことをあらためて知らされた。
 (中略)自分の演技にミスがあったことが、浅田の
 プライドを傷つけたのは想像に難くない。そういう浅田に
 「2位じゃだめですか?」と聞くことは侮辱に等しい。
 2位でいいと思ったら、3位も4位も入賞も果たせないのが
 トップスポーツの世界なのだ」

「ナンバーワンにならなくてもいい、オンリーワンならば、
 という行き方も成り立つ可能性もなくなないが、
 それがオリンピックの舞台である必要はないだろう」

そして氏は最後にこう結ぶ。
「私が浅田の涙に感動したのは、彼女の心の内に「なぜ、もっと」
 という悔いがあったと思うからだ。自分が追い求める完璧と
 頂点をシンクロさせようと鍛練に鍛練を重ねながら、
 ついにそれを一致させることができなかった悲しみ。
 オリンピックにふさわしい涙だった」、と。

全てに共感、賛同する。


最後に余談だし、蛇足だし、当人には失礼は承知なのだが、
スピードスケートの大ベテラン、岡崎朋美選手はヒドかった。
「トリノでの500メートル4位が悔しい」として、結婚後も
練習を重ねてきたはずなのに、開会式の旗手を務めたことで
「思い出」ができて、ホッとされたのかどうかは知らないが、
今大会は500Mでは16位、1000Mでは34位という
いずれも自己ワースト記録を出したのだが、その結果だけでなく、
驚いたのはその直後に、ニコニコしていたシーンだ。
驚き唖然としただけでなく、申し訳ないが「怒り」すら覚えた。

先日も20年来の親しい友人と2人で五輪談義に酔いしれた際も、
この点でも意見が一致。
まあ、(口にこそしないだけで)たぶん多くの人が同様に感じて
いるのではないか?と想像している。

武智氏が岡崎選手を念頭に置いて書いたかどうかは判らない。
そういうことはもちろん一切書かれていない。だが、そうした
「甘い選手」に対する、「これ以上ない痛烈な批判文」である
ことは誰でも読めば理解でき、多くの人は武智氏に同意、
共感されるのではないか、と思う。

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