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2010年2月15日 (月)

伝えたいことを本当に持っているのか否か、ということ

14日放送のN響アワーで、中堅というより、もうベテランの
キャリアを持つS氏によるチャイコフフキーのピアノ協奏曲第1番
の演奏が放送された。拝聴しながらつくづく思った。
「この人は、この曲を通していったい何を語りたいのだろうか?」
と。
私には氏が何を言いたいのが、全く伝わって来なかった。
「退屈極まりない演奏」だった。

申し訳ないが、今、このくらい「弾ける」人は世界中には
「ごまん」といる。
冗談でもシャレでもなく、(まあ5万人とは言わないが)
音大生とか、プロ活動をしていない人を含めたら、
世界中なら、数千人から1万人前後はいるのではないか?
と想像できる。

S氏は確かに完璧で淀みの無い立派な演奏をした。
でも、それなら、かつてたくさんの奏者も演奏してきた経緯が
あるだけでなく、もっと個性的で聴衆を楽しませてくれた
ピアニストも多々いたのも事実だ。

私達は「単にうまく、キレイに奏するだけの演奏を求めて会場に
足を運んでいるわけではない」。
もし、そうなら別にCDなどの録音で足りる。
いや、録音でさえ、個性的で胸打つ演奏も決して少なくはない。

国際的に活躍することが演奏家の全てではもちろんないが、
しかし、こういう演奏を聴くと、やはり国際的な話題や名声を
獲得する人と、国内では有名だが国際的にはそれほどでもない
(特に)日本人演奏家との「何か決定的な違い」というものに
ついて考えないわけにはいかなくなる。
S氏は若くして有名国際コンクールで優勝しているけれど、
 「そんなことと、今私達が音楽を聴き入ることとは
  何の関係もない」。
それが音楽であり、今、演奏者が演奏すること、
私達が聴衆として「今」聴くことの本質なのだ、と思う。

もう一度、問いたい。
「あなたがピアノをとおして伝えたいこと(もの)は何ですか?」
と。

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