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2009年8月22日 (土)

ふたり カッコーの鳴く道で

ベルリンの世界陸上が終わりに近づいている。
明日23日は女子マラソン。そこに、日本人としては初の
「ママさんランナー」が出場する。赤羽有紀子選手。
この日、NHKで、夫周平さんとの二人三脚、
いや3歳のお嬢さん優苗ちゃんを加えて3人での生活の中での
トレーニングをルポする番組が放送された。
タイトルは「ふたり」。
石田ゆり子さんによる静かなナレーションとももに、とても
印象的な内容だった。

大学での出会い。
周平さんは都内の金融系会社に就職したが、ランナーとしての
奥さんを支えるコーチとして、有紀子さんの実家、
静かで緑の美しい栃木県芳賀町の広い家に移った。
家事は分担。アスリートでもアートでも夫人が主役で
それを夫が支える夫婦の形態は近年では、特に欧米
では珍しはなくなっている。
夫婦であるが故に解り合える部分とぶつかり合う難しい部分を
互いに工夫しながら乗り越えていく。

有紀子さんいわく、
「子供を産まずに競技を続けること考えなかった。欲しかった」
4年前、いっしょに世界を目指すとした目標は、優苗ちゃんが
生まれてから少し変わった。
「全力で挑んでいる姿を娘に伝えたい」と。
そして、実際、自身の記録を出産後に塗り替えて来ている
のがスゴイ。

長野県菅平高原。カッコーの鳴く高原でのトレーニング。

欧州やアフリカでは既婚者はもちろん、出産後に復帰して
くるケースはざらにある。
ラドクリフさん、ヌデレバさん、シモンさん等々。
しかし、日本ではごく最近そうした傾向が少し出て来たという
程度のようだ。

20年前は一般的にも、女性は25歳のラインという実に奇妙な
「適齢期」への女性のこだわりがあった。
結婚、出産後、職場に復帰する女性はもちろん80年代にも
あるいは70年にもいらっしゃったが、数的にはまだまだ少数
だった。
90年代に入ってさすがに次第に、30歳前後でも独身で働いて
いる人は普通に増えてきた。
ここ10年前後には一般社会でも、スポーツや芸術の世界でも
結婚後はもちろん、出産後に再び「現場」で活躍している女性は
むしろ普通にいらっしゃる、と言ってもよいくらい、
増えてきている。

子育てとの両立は大変だろうが、結局、本人がその仕事や
趣味等とどう向き合うか、持続する志をどう保っていくか、
どういう姿勢を貫くかという本人の気持ちと覚悟がまず在り、
そしてもちろん、パートナーの理解と協力が不可欠だろう。

今の日本ではまだ、この「ふたり」の挑戦が珍しい事例である
かもしれないが、今後はそれほど珍しいケースではなくなって
いくかもしれない。
Qちゃんのようなスーパースターの出現ももちろん期待したい、
楽しみな要素ではあるけれど、こうした新しいかたちでの
アスリートの登場は新鮮であるだけでなく、今後の日本における
夫婦の一つのかたちを提起してもいるように思う。
明日の女子マラソンが更に楽しみになった。

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