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2009年7月10日 (金)

「内部統制報告書」 重要な欠陥問題③ 持株会社制度と内部統制

7月3日のブログ、内部統制報告書の分析のところの最後の
ところで、内部通報制度を踏みにじった嫌疑がかけられている
会社のことを書いた。
それ以外でも、私だけでなく、コンサル会社の人等々が注目
していた会社の1つに、日本郵船さんがある。
業績予想、という、確定数値ではないという微妙な性質の
ものとはいえ、また、結果的には下方でなく、上方の修正では
あったにしても、同社は3月に、連結業績予想数値での
当期利益を140億円の開示から561億円に修正開示した、
ということがあったのだ。その差、実に421億円。
「あっ、ちょっと計算ミスしました」、と軽く言える額じゃない。
かと言って、先述のように、あくまでも「予想」なので、
「訂正自体を強く責められるか、というと、必ずしもそうではない」
ことも事実。しかし、それでも開示する以上、投資家の判断に
間違いを与える点は否定できない。
さて、この点を、会社は内部統制上、体制的に、すなわち、
財務諸表の作成、報告をする上での体制は「大丈夫、問題なし」
としてくるのか?そして監査法人はどう判断するのか?
という点は、知る人ぞ知る、関心の的だった。
結果は「有効」。・・・・・・?????

もう1つ。
元社員、それも幹部クラスによる情報漏えいで、会社自体にも
多額の損失を与えた事件、三菱UFJ証券会社の件。
ここは、ここ数年「流行(はやり)」のホールディング会社体制が
敷かれている。
要するに、三菱UFJホールディングスとして、銀行、同証券、
信託銀行などの持株会社として全体を統括し、組織的に、
あるいは上場会社としては、あくまでも「親会社」である
ホールディングス社「のみ」が、「内部統制報告書」を作成して
くるわけだが、これでは、はたして「子会社」の統制を正確に
報告できるのか?という疑問は当然に在る。
想像どおり、傘下の証券会社があれほどの不祥事を起こしながら
ホールディングスとしての結論は「有効」。
これはやはりちょっとヘンだと思うが、いかがだろうか?

非上場会社化したといっても莫大な顧客の資産を預かる大会社
であり、その母体(の1つ)は、かつて野村証券の子会社として
スタートし、その約10後には山一証券さえ凌ぐ勢いで、
「野村、日興、大和、国際こそが四大証券」と言われたほどの
上場会社だった国際証券が核になっているはずの会社なのだ。
そうした、いわば実質的には上場会社であるところの大会社が
「独立して評価されない」というのは、やはりおかしいと思う。
それに、今回のような状況を見ると、
「企業の信用性が担保されるのか?」という疑義は当然生じる
と思う。

ホールディングス制という、会社としては効率的な面も多々
あるかもしれないにしても、対外的には、子会社自体の
自主的な開示の必要性が無いということが許されるという矛盾を
抱えた体制、制度の、いみじくもその大きな矛盾点が、
今回の同ホールディングス社の「内部統制報告書」に表れた、
と言えると思う。

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