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2009年6月24日 (水)

この日の大機小機「民主党の派遣禁止法案」と題したコラムについて

日本経済新聞の「大機小機」、このコラムは、私が社会人に
なったときも既にあり、ずっと毎日続いているコラムなのだが、
この日のそれは、「民主党の派遣労働禁止法案」と題して、
これに対して疑義を唱えている。
これについて反論的な見地から少し書いてみる。

(吾妻橋)とのペンネーム氏の言う主旨は、
「製造業への派遣は専門職以外原則禁止、それ以外の派遣は
 派遣会社の正社員(常用型)に限定、とする案は、これまでの
 民主党の主張と異なる。
 社民党と国民新党の案の丸呑みで選挙対策だろう。
 こうした考えは、派遣の働き方で満足している約半数の労働者
 にとって迷惑であり、1700万人の非正規社員を全て正社員
 目指しても過去の高度経済成長期とは違うから、
 より良い職が見つかる保障は無い」、
としている。

一見もっともらしい論調だが、まず、民主党の理念や正義を
問うより、「そこまで変わろうとしていること」に驚いたほうがよい。
社民、国民新党を巻き込んでいこうとしているとすると、
それこそ本格的な政権交代の土台固めに入っている、と
見るべし。

もちろん、論旨はそこにない。問題は次の点だ。
「派遣に満足している半数の人々」と断定的に言っているが、
この部分はアンケートの対象や方法等によって全く異なる結果が
生じるものなので、こうした決めつけ方自体、誤りと言ってよい。
いわんや「迷惑である」などと、さも当事者ぶって言うが、
どこまで「本人たちに尋ねたのか?」、という根本的で
現実的な疑問点が生じる。
あくまでも机上の空論、想像にしか聞こえてこない。

そしてこの論調には決定的に欠けている点がある。
それは、「派遣会社の存在を根底で肯定している」という
「固定観念」の存在だ。
そもそもこの国には1985年以前は、こうし制度は事実上
無かった。それが導入され、改悪されてくる歴史とともに
雇用制度が崩壊していった。
韓国も1998年に導入した結果、今日の韓国の
非正規労働者は全労働者の50%を超える事態となり、
大きな社会問題に至っていることは言うまでもない。

要するに、筆者は、
「アルバイト等の直接雇用の非正規労働者と派遣社員という
 非正規労働者を混同して考えている、という誤りをしている」
こと、および、
「派遣会社の(全てとは言わないが)多くが、雇用保険等、
 多くの法的な対応で法令無視、法令違反の状況を創り出して
 きたという「犯罪行為」に対するジャッジメントが欠落している
 という誤り」を犯しているのだ。

相変わらずの「上から目線」をいい加減やめて、当事者の
目線から考える、という想像力を持って欲しいものだ。
そうした想像力欠如、という感性では、ジャーナリストとは
言えず、ただの「記者」で終わってしまうのだから。

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