課外授業 ようこそ先輩;長渕剛さん登場
NHKの「課外授業 ようこそ先輩」という番組は、各界の
著名人が、自分が卒業した小学校や中学校あるいは
高等学校の1クラスを対象に特別授業を行うもので、最近では
坂本冬美さんによるものが良かった。
この日放送のものは時間を多めにとった特別版で、授業も
通常の2日間ではなく、4日間に及ぶもの。
教師は長渕剛さんで、母校、鹿児島南高校の1クラスにおける
授業。卒業をテーマとする曲を作るが、その歌詞を皆で共同で
考えよう、というもの。
長渕さんはキーワードとして「叫び」という言葉を置いた。
その作業に入る前に、生徒達との会話から、印象的だったことを
抽出してみよう。まず、長渕さんは、
「自分には強いとかヤンキーというイメージがあるかもしれない
が、中学生のころはむしろ内向的だった。なので、何において
1番になれるのか?自分には何ができるのか?ということを
よく考えていたときにギターと出会い、どんなことでも曲に
して(作曲して)友達に聞いてもらっていた」と語ったのは
意外だった。
また彼は、昨年6月に秋葉原で起きた事件について、生徒達に
感想を聞いた際に、その回答に「ひとごと過ぎる」と感じたこと
から、いったん休憩時間を置いて、次にどう語りかけるかを整理
してから教室に戻り、こう語りだした。
彼は、その事件の際、(救助にあたった人もいたが)刺されて
傷ついている人をただ黙って見ていたり、シャメで撮っていた
ような人々に対して怒りを感じた、として、そういう意見が
生徒達から出なかったことが不満、というか、悲しかった。
そして、こう語り出した。
「苦しんでいる人、傷ついている人がいたら、傍観者になるので
はなく、自分から助けにいくような心を持つこと。どうして、
そういう回答をした人が1人もいなかったのだ」、と、そのこと
自体に彼が悔しかったようで、長渕さん自身も涙ぐみそうな
表情で熱く生徒達に語る場面に、思わずこちらも見入った。
その「熱さ」に、生徒達の中にも涙を浮かべて聞いている生徒が
何人かいた。
そして、長渕さんはこう続けた。
「大人になって、すぐに失くしてしまうものは「感じる」と
いうことなんだ。この「感じる」というハートをいつまでも
持ち続けることが大事なんだ」
こうしたことを経て、2日目に生徒達の言葉を編纂し、3日目は
彼がその歌詞を基に作曲に専念し、4日目に、うた「卒業」が
完成した。それをみんなで歌い、全校生徒に披露して、
この「授業」は終わったのだが、生徒たちから別れ、番組の
最後に、彼はカメラに向かってこう語った。
「純粋無垢な生徒達、ああいう若い少年少女達に、俺たち大人
たちも思い切って触れないとダメだね。
当たっていかないとダメだ。
そういうことを、俺も彼らから教わった」

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