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2009年1月 1日 (木)

NHK「新春ガチンコトーク」熱い連帯意識こそエセリアリズムを是正し克服する

NHKスペシャル「新春ガチンコトーク」を見て、竹中平蔵と
いう人を中央政界に入れたことが、我が国の経済政策における
最大の失敗だったな、とあらためて思う。
討論の中で、その得意とする饒舌の内容といえば、結局
今、批判の矢面に立っていることに対する言い訳、理屈付け、
要するに「逃げている」に過ぎない、という印象を拭うことは
できなかった。

ICU(国際基督教大学)教授の矢代尚代氏も、現況の
雇用状況の認識が甘すぎる。
総じて、金子勝氏、北大教授の山口二郎氏、ジャーナリストの
斎藤貴男氏が言っていることの多くに共感を覚えた。

この席に、「反貧困ネットワーク」の湯浅誠氏、雨宮処凛氏、
河添誠氏らがいたら、あるいは田原総一朗さんがいたら、
さらに過激な激論になっただろう。
もっとも、NHKは田原さんだけは、こういうメンバーにおいて
は、あるいはこういう討論番組には今後も呼ぶことはしない
に違いない。司会者が「もってかれてしまう」から。

番組最後に、司会者より、今後に向けて「一言ずつ」とあり、
竹中氏は、「リアリストたれ」と言った。
私にはこの言葉が一番「抽象的で非現実的」に聞こえた。
竹中氏からすると、金子氏や山口氏、斎藤氏らの言い分は
「理想や理念を言っているに過ぎない。観念的に過ぎない」
と思っていたに違いない。
しかし、竹中氏の現状に対する言い訳や、今後の対策が大事と
言う、その言い分が、一番抽象的に聞こえたのは何故だろう?
逆に、理想に向かうことという一見「観念論的」な言葉を出した
金子氏、山口氏、斎藤氏の言い分が、極めてリアリティを
伴って聞こえたのは何故だろう?

竹中氏の最後の一言を聞いて、逆説的な意味で、
ドストエフスキーの有名な比喩、
「観念は現実よりも現実的である」という言葉を思い出した。
この有名な逆説を私は十分理解しているとは言えないかも
しれないが、しかし、竹中氏の言葉に、反射的にこの言葉を
連想し、それは(この言葉が)竹中氏を射る矢のように彼に
向かっていくような心象を抱いた。
この逆説的比喩は、「ウソ偽りは許さないぞ」という暗黙の
前提があるように思う。

「現実を見ろ」と言った竹中氏が一番現実を見ておらず、
今こそ「理想や理念が大事」という主旨に立って見解を述べた
金子氏、山口氏、斎藤氏のほうが、実ははるかに現実に根を
下ろした、そして今後大事な提言をしていたのように感じた
のだった。

もし、私が「今年のキーワード的一言」と問われたら、今年は
皆の「気」、「熱い思い」、「連帯感」といった、
「蒼くて観念論的なこと」を言ったと思う。
しかし、こういうときだからこそ、敢えて「熱い」とか
「連帯意識」などという言葉を出してみたい思いがあるのが
正直な気持なのだ。
「観念は現実よりも現実的である」

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