« 新聞批評=ラトル指揮のベルリン・フィルから | トップページ | カッコよかった黒木メイサさんの川島芳子 »

2008年12月 6日 (土)

偉大な知性の逝去 情感感性の逝去

加藤周一さんが亡くなられた。「夕陽妄語」(せきようもうご)
などの定期的なエッセイでも、私には相当難解ではあったが、
終始、人間の根源的な自由、生きる権利、平和といった事に
一貫した図太い信念を感じさせる人だった。
先日の筑紫さんといい、柔軟でリベラルで、人間を尊ぶこと
を原点においた知性がいなくっていく時代の寂しさを痛切に
感じる。

午後には、作曲家の遠藤実さんの訃報に接した。
2年前、日本経済新聞の「私の履歴書」に氏が書いた自伝
は、近年の同欄の中でも、もっとも秀逸で、印象的な内容
だった。
極貧の少年時代、終戦後、東京に出ての「ながし」や
作曲は全て独学から、舟木一夫さんの「高校三年生」を
はじめ多くの日本的なメロディによる親しみやすい曲を
世に出した。歌謡曲ブームに乗った幸運は、それまでの
不遇の裏返しのように、それを知る我々にもある種の
安堵感とともに、感慨を覚えさせる。
涙もろかったという氏の柔軟で無垢な感受性を想うとき、
加藤周一さんとはまた違う意味で、しかし、貴重な人生の
あるいは日本人の先達としての感性の巨人の逝去、
という意味では共通としてもよいが、とにかく、どんどん
「一時代」の終焉が続いていく、という感慨を覚える。

偉大な知識人と、涙腺の稀有な感性、という2人の先達に
合掌。

« 新聞批評=ラトル指揮のベルリン・フィルから | トップページ | カッコよかった黒木メイサさんの川島芳子 »

ブログ HomePage

Amazon DVD

Amazon 本

最近のコメント

最近のトラックバック