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2008年12月23日 (火)

天皇誕生日に寄せて

一般参賀での、陛下のお言葉の中に、
「厳しい経済情勢の中にあって、多くの困難に直面し、
 厳しい年の瀬をむかえている人々も多いのではないかと
 案じています」、と言及された。

また、誕生日における感想について、私が見た(確認した)
3つの全国紙=日経、讀賣、朝日の中で、全文を掲載して
いたのは讀賣だけだったので、その文の中から、下記の
とおり一部を引用させていただく。

「世界的な金融危機に端を発して、現在多くの国々が深刻な
 経済危機に直面しており、我が国においても、経済の悪化
 に伴い、多くの国民が困難な状況に置かれていることを
 案じています。
 働きたい人々が働く機会を持ち得ないという事態に
 心が痛みます。
 これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し、
 また、互いに絆を大切にして助け合うことにより、
 皆で、この度の困難を乗り越えることを切に願っています」


この部分、ここまで天皇陛下が「踏み込んで」発言したことは
極めて異例だと思う。
ご存知の人も多いと思うが、皇族の皆さんは新聞やニュース
番組等を、よくご覧になっていらっしゃる。
確か、陛下は毎朝、全国紙は全て目を通されているはずだし、
テレビも公務以外のときは、ニュースを中心に、結構よくご覧
になられているはずである。
したがって、先日の、派遣社員に対しての寮退去命令の状況
報道なども当然ご覧になっていらっしゃるだろう。

「象徴」とはいえ、セレモニー等においては実質的には、
我が国の「元首」としてのお立場といってもよい陛下が、
この国の「堕ちた状況」をどうお感じになっておられるか。


このところ、もう何度も書かせていただいているが、とにかく
昨今の状況は、私が生まれて(物心ついて)以来、
前代未聞のかつて記憶に無い状況に在る。
それが、単に一時的な不況という色合いならまだしも、
一番決定的に違う点は、派遣労働に象徴される、日本人が
同じ日本人を、法的に階級格差、すなわち「差別」を創り出し
たという、寒々しい心象状況であることだ。
これは、戦後、日本が一度も経験して来なかった心の貧しさ
が具現された状況であり、過去のどの不況時代とも異なる点
なのだ。

1960年代、私が幼少のころは、一部の人々を除いて、
我が家を含めて全体的に日本はまだまだ貧しかったが、
しかし、将来だんだん良くなっていく、という、ごく自然で
明るい空気はあった。
その点が、こんにちの状況と決定的に異なる点である。
今問われているのは、実は国民1人1人の心の度量の問題
でもあるのかもしれない。
そこから出発して改革しないと、今良いと思っている人を
含めて、日本全体が没落してしまうと思う。

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