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2008年12月 2日 (火)

三菱東京UFJ銀行マンの未公開株取引問題

三菱東京UFJ銀行の行員が、1999年12月に、オリコンの
小池恒社長から、当時設立後3か月の子会社である、
おりこんダイレクトデジタル社の株式の購入(出資)を
求められてそれに応じ、結果的に、約1年後の翌年11月に
同社が上場できたため、市場で売却し、数千万円の利益を
得たことが、今頃だが、一部のマスコミで話題になっている。

「なぜ今頃か?」は、旧・三菱銀行の渋谷法人新規室が
02年~05年に手掛けた案件の中で、集中的に「焦げ付き」
が生じており、80数社への融資、合計約300億円の内、
約70億円が回収不能となっており、その内部調査を実施
してきたなかで「発覚」したとのこと。

その行員が、おりこん社と親しくなったのは、旧・三菱銀行の
六本木支店に在職していた98年から約1年半年間の中で
あり、その後、別の部門に異動してからも、おりこん社長と
懇意な関係が継続されていたことからの「出資のお願い」
だったという。

したがって、小池おりこん社長も、三菱東京UFJ銀行サイド
も、その行員が未公開株を購入(出資)したのは、担当で
あった六本木支店から他部門に異動してから1年半後の
ことでもあり、「法的に問題無し」という見解を述べている。

確かに、インサイダー取引違反等の法的な問題に抵触と
なることはないかもしれない。
小池社長は、「設立後3か月の会社の出資してくれた。
そのときは、上場できるか判らないわけで、彼もリスクを
とってくれた。だからそのときはお礼を述べたのであり、
法的にも倫理的にも問題無く、なぜ騒がれるか理解できない」
と述べている。

だが、考えてみよう。
まず、5年、10年の「つきあい」ならまだしも、なぜ、
「たかだか1年半程度の担当者」に、そうした「うまい話」を
持ちかけたのか?
その行員が個人的に小池社長から気にられたということは
もちろんあるだろうけれども、しかし、それはやはり彼が
「三菱東京UFJ銀行の行員だから」であるからなのであって、
全くの「あかの他人」なら絶対にあり得ない話だ。
「娘の婚約者」とか、親族なら別だが。
この点は、「1つの不思議」であり、やはり、良く言えば
「役得」、悪く(?)言えば、
「行員でしか知り得ない、職権による情報の取得」、
「地位に係る、地位に基づく行為」、と考えることが、
ごく常識的な解釈と言えるだろう。

すなわち、「融資」との「バーター」(交換)、あるいは、
少なくとも何らかの「見返り」に対する「お礼」を担当から
離れた後に実行した、と疑われても、言い訳しにくい状況で
ある、と言えそうだ。

確かに、「当時は、上場できるかどうかは判らなかった」
というのは一見説得力があるようにも思えるし、実際、
「上場できるか否かは、ゲタを履くまで判らない」ことは、
私も直接間接、何十という例を知っているから、そんなことは
人に言われなくとも知っている。

しかし、5年後とかではなく、購入(出資)後、わずか、
1年後にめでたく上場できていることから推測するなら、
社長が購入(出資)を「勧めた」時点で、「上場」は
「相当な確率で計算に入っいたはず」で、それだけ親しければ
その行員も、「それが実現となる計画(利益計画、資本政策等
を含む諸々の戦略)を知らされていた」、と考えるほうが自然
だろう、と思える。

したがって、この行員は、「特別利害関係者等」に「限りなく
近い」、と言える。(「等」の部分が肝心なのだがその点の
解説は省く)

よって、これらの点から、法的な問題に至るか否かは別と
しても、一般常識という意味での「広義」という意味において、
その行員は、「特別利害関係者等」に限りなく近く、
同様に「広義」においては、
「インサイダー取引違反に限りなく近い行為」を行った、と
言ってよいと思われる。

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