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2008年11月12日 (水)

レトリックとモラルハザードの間で

リーマンとは対照的に「政府救済」を受けた、AIGグループ。
しかし、最近、その決定後まもなく、AIGの役員幹部ら複数が
カリフォルニアの高級リゾートで豪遊しまくっていた、という
事実が判明した。
こうした「いかれっちまった男ども」達の現実を知ると、
リーマンは見捨て(それは構わないが)、AIGを救済
したという論理はどうも疑わしく思えてくる。

事情(言われた理由)はもちろん知っている。
保険という商品性ゆえ、しかも世界的規模で展開して
いる企業グループゆえ、破綻した場合の影響の度合いが
リーマンなどとは比べものにならないことになる、という
危機感からのものだし、ある程度は「そうかも」とは
思うのだが、先述のような醜態を知ると、米国人でなく
とも腹立たしく思える。

「影響の度合いが計り知れないから救う」、ということに
本当にウソは無いのか?
ウソという言い方は正確で無いにしても、それは一種の
「レトリック」であって、私達は実は何かにゴマカされている
のではないか?、という疑いは払拭しきれない。
実際、FRBや米国政府関係者の中にも、少数だが、
AIG救済に最後まで反対していた人もいたという。

もちろん、論理的にはどう考えても「ダブルスタンダード」
であっても、何らかの「政治的な」思惑からの対処がなされる
ことに理解が無いわけでなない。
例えば、全く逆の例だが、1997年から98年を中心に
日本で生じた金融危機の際、個人的には、
北海道拓殖銀行を救済しなかったのは旧・大蔵省の
ミスリードだったと思っている。
その後の北海道の経済に与えた影響を大きく、
落ち込みの度合いは凄かったからだ。
経営者への追及は然るべしで、実際、株主代表訴訟も
起こされ、最近、旧・経営陣に対して極めて厳しい判決が
出たのは当然だが、それはそれとして、あの銀行は
少なくとも北海道経済を考えた場合、もう少し違った
「ランディング」が必要だったと思っている。

なので、一方的に今回の米国当局の判断が間違えだったと
言う気は無いが、それにしても、メリルといい、AIGといい、
経営者が平然と豪遊や数億単位の退職金支払いなどが
為されている聞くと、やりきれない気持になる。
そうした傲慢を我々は許すべきではないのだし、当事者
らは、厳に自らを戒めるべきであることは自明の理と言える
だろう。


世の中のお金持ちには、少なくとも2種類あって、
自分の欲望を満たすことにしか興味の無い人と、
寄付やボランティアなど、積極的に社会「還元」を行う人だ。
後者の典型がビル・ゲイツ氏。
まあ、もちろん、ケタ違いの富裕者であるということはあるが
毎年、相当な額の寄付金活動(もちろん個人のお金)を
していることは有名だ。
今来日中のゲイツ氏は、最近の金融危機状況について
聞かれて、こう答えている。

「今の金融市場の問題以上に、貧困こそが世界的な問題
 なのです。世界で年間、児童だけでも1,000万人が
 死亡している現実を考えるとき、国と企業が協力し、
 貧困をなくすようなイノベーション(技術革新)を生み出す
 ことが、長期的には世界の発展につながるのです」

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