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2008年10月25日 (土)

面白かった「朝まで生テレビ」 詐欺的金融工学商品というウィルス

月1回の「朝まで生テレビ」は、1987年4月に番組が
スタートて以来、この21年間、ほぼ毎回、少なくとも9割
ほどは見ている。
この日のタイトルは当然ながら、「世界金融危機」。
もちろん、様々な意見が出ていたが、ほぼ一致していた
意見の概要こうだ。

「サブプライムやデリバティブという仕組み、どう考えても
 いつか破綻する要素をもった商品を、(困ったことに、
 ハーバードの物理学科卒とか)優秀な人間が
 「頭で、数式で」考えたものを作った。そしてそれを、
 インベストメント・バンクという正に、歩合=ケタ違いの
 べらぼうな高額な出来高報酬を得る営業マンたちが
 必然的に短期的な収益を挙げるために、リスク承知で
 手数料、成績を得るために世界中に販売した。
 リスクを知っているから、同業者達はそれを次々に
 「転売」して逃げた。その場の手数料を得ることだけを
 していったため、その結果、誰が最終的に損を多く持つ
 のかさえ、誰も判らなくなってしまった。
 格付け会社も、そうした商品、いわば
 「何が入っているか分からない福袋的な商品」に対して
 AAA(トリプルA)だの、と、全く根拠の無い評価を与えて
 購入者、投資者を騙すことを(結果、後押し)してきた。
 しかも、会計上も簿外だから内容(リスク)を隠したまま
 の危うい状態のままの金融会社(最終的にどう損益を
 はじきだすか解らない金融機関)が、商品においても
 どのくらいの実損を含むか外部資料では理解できない
 (どういう危険性があるのかさえ解らない)商品を、
 これまたそうした事情を知らない顧客を結果的に騙す
 かたちで販売してきた。
 もう1つ、別の例えで言うなら、デリバティブという、
 何でも詰め込んだ、いわば「ミンチ」をばら撒いてきたら、
 ある日そのどれかに、鳥ウィルスが混入されていること
 が判った。ところが、あまりにも世界中に分散され過ぎた
 ために、誰が所有しいているミンチが危険なのか、
 それはどこに、どのくらいの量があるのか、ということさえ
 もう誰も判らなくなっているのが今の状況なのだ」

と、ほぼ、こういうことに今回の世界経済の混乱があること、
そしてそれはもちろん、原因を作ったアメリカに最大の責任
があるという点を議論し、で、アメリカから支援が来たら
どうするか、ということも論じていた。

正に、自慢にもならぬが、私が、9月17日のこのブログで、
「セキュリタイゼイションの失敗」という文を書いたままの、
ほとんど同じことが、また、10月7日付で紹介した、
日経新聞の「一目均衡」というコラムで、末松篤氏が
「現在価値革命の暴走と挫折」というタイトルで書いていた
名解説そのままの内容が、この日の番組内で、
有名な論客や政治家達によって論じられていたのだった。

(ちなみに、既に三菱UFJがモルガン・スタンレーに
 9,500億円出資を決めたことも、もしや米国からの「圧力」
 ではないか、とほんとんどの人がその三菱UFJの行為
 に対して疑問視、というか、もっと言うと冷笑にしていた)

金融資本主義の終焉、ということも多くの人が口にした。
「グローバルスタンダードなんて、ウォール街スタンダード
 に過ぎなかった」。
そんなものに、これからは欧州はもちろん、日本も安易に
追随することには十分警戒すべし、
というのが大多数の共通した意見だった。

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新聞、TV報道によれば、グリーンスパンでさえ、
「間違っていた」と謝罪し、ジョージ・ソロスでさえ、
「今後は当面(いつ頃までに相場や経済が改善されるか
 否かは)まったく読めない」、と言っている。

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東大の岩井克人教授は、既に2005年に出版した
「会社は誰のものか」という本の中で、次のような主旨の
ことを述べている。

「私が批判している経済学者たちは荒唐無稽なことを
 やっている。倫理が無くてもどこまで社会が可能か、
 なんてことを研究し、合理性を追及する中で、
 デリバティブ商品という「仕組み」を作り上げてしまう
 のです。そういう人達に限って「優秀な」人が多い。
 (だからよけいにタチが悪い、という意味。)
 米国でも昔の経営者には「経験則」を重んじるところが
 あって、慎重さもあったのに、若い人たちは大学で
 ROE(株主資本利益率)とかROI(投資利益率)を
 学んで、それは本来的には経営の健全性を測る
 指標値にすぎなかったのに、彼らが実社会に出て起業
 して経営を始めると、あたかもそれが最大目標のような
 本末転倒な経営を目指す人が増えた、そういう状況が
 起きたのです。
 そうした指標主義、株価主義、株主資本主義が
 まるで、唯一絶対的に正しいかのような誤解に満ちた
 経営観が台頭して来てしまったのです」

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話を「朝まで生テレビ」に戻すと、当然ながら、
「中には、ウォール街で暴利得を獲てきた高給取達に
 対して、「ざまあみろ」という人も、同国や日本を含む
 諸外国にも少なくないのかもしれないが、これほど
 深刻になってくると、日本を含む、多くの国の、
 一般市民、消費者(直接、証券市場と係わらない
 人々)にも、様々な悪影響が出てくることは予想
 されるから、当然、われわれも何らかの対処策を
 考え、(特に政治家、財界等は)実行していかねば
 ならない」、
という点からも、多く論じられていたことは言うまでもない。

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