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2008年10月 7日 (火)

「一目均衡」末松篤氏の名解説「現在価値革命の暴走と挫折」

最近、日本経済新聞朝刊に「一目均衡」というコラムが
掲載されている。執筆者が毎回同じだったか、その日に
よって異なるか、記憶が定かで無いが、この日のものは
同社特別編集委員の末松篤さんという人が、
「現在価値革命の暴走と挫折」と題して論じているのだ
が、けだし素晴らしい名文である。
幅10cmほどで6段、約1,200字の、小さからず、特別に
は大きからずのコラムなのだが、この日のここに書かれた
内容は、「サブプライム」という単語は1回も出てこないが、
昨今の世界経済の混乱の本質をこれほど理知的に、
金融、証券市場の歴史を踏まえつつ本質を突いた、
問題点の明晰さが凝縮された文章は、ここ数か月の間
に、新聞、本、雑誌を問わず、他に読んだことが無いほど
だ、と言いたい。

もちろん、相当難しい内容でもあるので、私も正直に
言って、今のところ100%理解できたとは思っていない
のだが、ここには、昨今のあらゆる事象が、要約されて、
しかし、決して抽象的でも「ひとごと的でもなく」、極めて
冷静に、誤った事象に対しての「静かな批判」とも言う
べきものが論じられていて見事である。

全てを引用するわけにはいかないので、少しだけ、
かいつまんで書いてみたいが、ぜひお手元にまだ在る
ようなら、そして未だ読まれていないのなら、読まれる
ことをお薦めする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「投資銀行のビジネスモデル崩壊の教訓は、
 高レバレッジ(負債によるテコの原理)経営の失敗
 だけではない。投資銀行が担った金融文化の特徴
 は、あらゆる資産を市場取引の対象とするために、
 価格を時価で評価する会計思想である。
 市場価格がないものにまで「時価」を付ける「現在
 価値革命」の暴走と挫折が、投資銀行を葬り去った。
  (中略)
 計算できないものも計測し、時価を利用し尽くす欲求
 は、80年代以降の金融資本主義に由来する。
 ストックオプション(株式購入権)で賃金を払い、
 自社株買いで現金配当に代え、株式交換のM&A
 (合併・買収)を活用すれば、株は通貨の代替手段と
 なる。株の交換価値は時価、企業の予想収益の
 割引現在価値であり、高いほど歓迎された。
 「株式本位制」は企業を金融商品として扱う極端な
 M&A文化に発展する。
 年金などの機関投資家が短期投資家に変身、
 企業の身売りでもうける解体屋的投資家も現れ、
 取引に商機を求める投資銀行の利害と一致した。
  (少し略)
 住宅ローンなどを原資産とする資産担保証券を
 分解・合成した金融商品の価格(時価)は金融工学
 がはじきだした理論値にすぎない。計算の前提が
 狂い、価格に疑問が生じれば、市場は消滅し、
 価格は消える。
 会計、格付け、保険などの現在価値革命を支える
 近代装備は規律の緩みを促した。
  (後略) 」

だいたい、半分から3分の2近くを書いてしまった。
書かせていただいた。見事な解説である。

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