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2008年9月17日 (水)

セキュリタイゼイションの失敗

1980年代の後半だったか、90年代に入ってからだったか、
いわゆる「証券化」(Securitization)、とうことがしだいに、
やがて、盛んに言われ出し、実際そういう商品が市場に
出てきた。
詳しい説明は省くが、いささか我流に解釈すると、性質的
には一種の投資信託とも言えなくも無いと思う。
不動産などをその属性から(概念を)部分的に切り刻んで
証券として販売する。販売する側からすると、現物資産の
小口化という点がら流動性が高まり、販売しやすいし、
原所有者からしても、実質的には対象不動産の細切れ的
売却と同様の効果を持つとも言えるため、急速に世界規模
で拡大したのだろう。

だがしかし、再度、我流で解説させていただくなら、
この証券化された商品は、同時に限りなく「デリバティブ」
といわれる「金融派生商品」の一種とも言えるほど、その
性質に類似性を有している、そういう要素を元々内包して
いる、と言えると思う。
デリバティブとは、債券や株式などの主商品を、様々な工夫
や技巧により「バリエーション」を付けた商品の総称で、狙い
というか「謳い文句」としては、「リスクのヘッジ(回避)」。
あるいは、リスクを分散させることによって一定の安全性を
担保させると同時に、有る程度の確率でハイリターンも
狙い得る、とするものだが、そうしたいわば信用創造を付加
したものであっても、元々、相当「ヤバイ」要素を含んだ性質
のものであることは、証券市場に係わった人間なら、おそらく
100人中100人は、「相当リスキーな商品」であることを承知
していたはずである。
そうでないとしたら、よほど市場原理における怖さや
非論理性を理解できていなかった人たちだった、と言わざる
を得ない。
もちろん、証券マンはそんなことは言わない。
「怖い商品ですよ」と言ってモノを売るセールスマンなど
いないということだ。

今回の「サブプライムローン問題」は、本来、というか、
少なくとも「謳い文句」としてはリスクヘッジされた商品と
して、文字通りリスクが分散された商品であったはずのもの
だったものが、肝心の、スキームとしての大元の構成基幹
であるはずの、住宅購入者とその資金問題というところで
トラブルが発生してしまったことから、今度は逆に、
あまりにも世界に「リスクを分散し過ぎた」ために、
そのリスク度合そのものが、いったいどれほどの量、厚み、
深さなのか、という尺度そのものが把握できなくなって
しまったという自己矛盾を曝け出してしまった、ということが
言えるだろう。

数理的な解析や、専門知識を気取ったポートフォリオ
に係る技巧(机上の理論)が、お金、すなわち人間の
欲望に深く係わりやすい要素であるモノとしての「現物」
「現実」に係わってしまった結果としての商品性質と
しての敗北であり、こうしたいわば虚構の商品を、
まるで新経済戦略商品であるかのごとく、世界中に
バラまいた結果、その分散に向かった「はず」のリスクが
一気に逆転して、集中巨大化したエネルギーとなって、
巨大企業を飲み込んでしまったのだ、とも言えるだろう。

アメリカ5大証券のうち、3社までもが(被)吸収合併、
もしくは民事再生法の申請、という破綻に追い込まれた
わけだが、これで収束するとは限らないし、もちろん、
日本の証券、金融業界は決して「ひとごと」でないことは
言うまでもないことである。

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