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2008年6月15日 (日)

刺激敵タブー挑戦シリーズ 5 「労働者派遣法の廃止および同事業の禁止」

これに関しては、別に「タブー」でも何でもない。
現に、秋葉原での事件以後、舛添厚生労働大臣は、少なくとも
「改正」については、言及している。

「派遣社員の求人広告」を新聞等で見かけるようになったのは、
1990年代の前半くらいだっただろうか?
あのとき、なんとなく「不気味な印象」を抱いたのだが、それは
「どういうところから来る印象」なのかは、自分でも理解は
できなかった。
あとは説明不要だが、1990年代後半からの不況、リストラ現象
の増加に「反比例」して、「順調に」増殖していったのが、
「この業界」だ。

今年、6月18日付の朝日新聞の中で(たぶん、読売等、
一般全国紙もそうだっただろうが)、1ページ分の全面広告として
「派遣協会は自主ルールを決めました」と題する、
社団法人 日本人材派遣協会による広告が載った。
その、何とも「空虚」で、「抽象的」な、「ひとりよがり的な」5つの
文面の下に、ズラーッと派遣会社名が載っていた。
2008年6月10日現在の、792社の社名である。

失礼を承知で、大袈裟でもウソでもなく、本当のことを書かせて
いただくが、その膨大な社数、社名一覧を見た瞬間、私は
「吐き気」を感じてしまった。

「これが、こんにちの日本社会の、労働状況を悪くしている
 元凶の一つだな」と、本当に正直なところ、そう思った。

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こういう事例が、今、平然と行われているという例を紹介しよう。
その前に、「労働派遣法」によると、
「継続した仕事の場合は、直接雇用する原則のもと、
 派遣期間に最長3年の上限を設定でき(専門26種を除く)、
 その3年を超えると、派遣先(受入先)企業に「直接雇用の
 義務が生じる」。

 しかし、これには「落とし穴」があって、3年に達する直前に
 契約が終了しても、派遣元が、派遣者に対して、次の派遣を
 決めて、労働者が受け入れるまでの期間が3ヶ月を超えない
 (3ヶ月以下の)場合は、先の終了時期から「継続して仕事を
 していた期間とみなす」のに対し、逆に言うと、
 その「空白期間が3ヶ月を超えない場合」は、それまでの
 派遣労働(雇用)期間が「終了」して、次の派遣先での就業は
 まったく最初から「リセット」された期間としてスタートする、
 という。

{直前の派遣}-(派遣を受け入れてない期間)-{新たな派遣}
          (3ヶ月以下の場合、継続して派遣を
          受け入れているとみなす)

これを「逆手」にとって、一部の派遣会社はこういうことをしている
という、すなわち、
1.派遣会社Aは、派遣労働者Bさんに、派遣先C社に派遣する。
2.BさんがC社での勤務期間が3年経過する直前、例えば
 2年と11ヶ月と20日経った日に、A社はBさんに、
 「4ヶ月間だけC社に直接雇用されたかたちとして欲しい」
 として、事情が理解できないまま了承したとする。
3.そして、4ヶ月後に、A社はBさんの契約を打ち切る。
 Bさんは、C社に、「2年11ヶ月20日間+4ヶ月=3年を超える」
 から「直接雇用していただけるのですね?」と、尋ねると、
 C社は、「10日、足りないですね」、と平然と断る、
という。

解かりにくいかもしれないが、要するに、A社は、3年が経つ直前
で、状況を「断ち切って」しまい、中間部が3か月を超え(させ)て
しまっているため、Bさんの労働「経歴」はまた最初から
「リセット」されてしまったのである。だから、C社としても
「3年以上働いてくれたことにならない」ので、同社の直接雇用の
義務は生じず、そういうことを、いわば、「A社とC社が仕組んだ」
と言えるわけだ。

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これは、ここまでいくと、ある種の「詐欺行為」である。
直接雇用したくないC社と、それに呼応して、あっさりと
派遣契約を解除するA社。この事は、
「人間をボロクズのように扱うように「堕落」した、こんにちの
 日本の労働事情、雇用事情、における日本社会の現状を
 象徴している内容」、と言ってよい。

私は、社会労務保健士試験に受かるほどのレベルにはない
ものの、それなりに労務は勉強して、ある程度のことは知って
いるし、「就業規則」や「慶弔規程」等の修正は、状況に応じて
様々な変更はいつでもできるくらいの知識とノウハウくらいは
当然有るが、さすがに、新聞でその記事(今の例は、
今年6月20日付、朝日新聞朝刊の記事、「派遣はいま②」)を
読むまでは、「こんなことまでは知らなかった」。
よくもまあ、こういうことを、あの業界人達は考えるものだ。


もう解っていただけていると思うが、私はいたずらに「派遣」と
いう形態を否定しているわけでは必ずしもない。
要するに、現状、
「その雇用形態が、一部の、あるいは少なく無い経営者達に
 よって、賃金的にも、期間的にも、仕事の内容的にも、
 あまりにも自分(達)の都合のよいように、いわば「勝ってに」
 労働者を酷使していることを問題としている」のだ。

そして、この雇用形態が、現実問題として、いわゆる、
「ワーキングプア」の温床になっていることが問題」なのだ。

「そして、それは、企業によっては、ほとんど人間扱いさえされて
 いない状況もある」という。
これは私は直接見たり身近に接したことはないので、
信じ難いことだが、会社によっては、派遣社員のかたを
名前で呼ばず、「ハケンさん」と呼んでいる会社があるという。
「日本の企業の退廃と堕落、ここに極まれり」という感がする。

あるいは、異なる派遣会社A社とB社から来ているCさんと
Dさんには話をしないように強要している会社もあるらしい。
(条件等が異なる場合、情報が飛び交うと「面倒」なことに
なるからだろう)


今回のタイトルはもちろん極論で、少なくとも、いきなり
「派遣社員制度を廃止」したら、それこそ更に失業者を増加させ
てしまうから、慎重な対策が必要なことは言うまでもない。

ただ、いずれにしても、かつての高度経済成長期がそうで
あったように、基本的には、
「正規雇用」を大原則とした社会に今一度回帰させなければ、
 この国の経済は長期的にみた場合に、必ず低迷、破綻、
 崩壊する」と思う。

ワークシェアという言葉は単なるキレイゴトではない。
人間には1人1人、異なった才能が必ず1つは有る。
そして、X氏がY氏を「さげすむ」ほど、Y氏は無能ではない
だけでなく、X氏は自分が思っているほど(あるいは周辺の
一部の人が煽(おだ)てているほど)優秀でも何でもない
ことに、そろそろ気づく時期に、日本は来ていると思う。

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