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2008年5月 5日 (月)

映画「うた魂♪」大推薦 皆さん見ましょう

公開中の映画、「うた魂」(うたたま)を池袋シネ・リーブルにて
鑑賞。

結論から言うと、「ありがち」なストーリー展開ではあっても、
「笑いをこらえるのに苦労するくらい可笑しい部分」と、
「ちょっと涙腺に来ちゃいますよ」、という2つが絡む合う、
本当に楽しい作品で、合唱の、みんなで歌うことの楽しさを
あらためて思い知る、そういう映画なので、
日本全国の合唱経験者、今歌っている人も、
過去に歌った人も、男性も女性も、年齢に関係なく
皆さん、ぜひ、ご覧になってください。

また、今のところはそれほど合唱とか歌に関心が薄い人にも
ぜひ見ていただきたい、大推薦の作品。
劇場公開はもう後半のようなので、もし今回見逃しても、DVD化
された折はぜひご覧になってください。

過去に歌っていた人は、きっとまた歌いたくなるでしょうし、
今、歌っている人は、もっともっと「今以上に」合唱が好きになる
でしょう。
今まで経験のないかたも、この作品を見た後、もし少しでも
「歌ってみたいなあ」と思ったら、年齢、性別、状況に係わりなく、
可能な限り、ぜひ始めてみてください。
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出だしは波、美しい海のシーンからスタートするが、共学高校の
女声合唱部員であるヒロインの、ややノーテンキ的ナルシスト
ぶりがすぐに露呈し、ほぼ全編「コメディ・タッチ」で、ユーモラスが
基盤になっていることがすぐ解る。

しかし、ヒロインがある事がキッカケで「落ち込んでいる」中、
他校のゴリがリーダーとして演じている「ワル風」の男声合唱
メンバーがステージに上がったところ(=中盤)から、
ストーリーは大きく動く。
また、ゴリの回想(歌にハマるキッカケを語る)シーンで、
(帽子を深くかぶっていて顔は映らないが)その日をもって
路上ライブをやめようとしている女性役の薬師丸ひろ子さんが
昔と変わらぬ素敵な声で歌っているシーンからも、
物語の内的な劇性の密度の変化、という意味で、ここからも
ストーリーは「ドタバタ映画ではない」のだという構図が見え、
そういう意味では、さらに映画の内的なドラマ要因が動く。

ここからの、いくつかの、落ち込んでいるヒロインに対する
ゴリのセリフが良い。

 「合唱、やめちゃいな。(あんたのさっきの態度は)
  歌に対する冒瀆だ」。

 「合唱を、ナメんじゃねえぞ」。

ヒロインでなくとも、また、そんなふうには思っていなくとも
(そのとおりだ、という意味で)、ズキリと胸に来る。

ヒロインは内的にしだいに、しかし確実に大きく変化していく。
前半の「ナルシスト」という「キーを捨て去り」、新しく、真に優しく
温かい内面に移行する心理変化が自然に描かれているし、
先述のとおり、ゴリ達「ワル風集団」の存在が、この映画の
大きな役割を演じている点が、これまでややもすると「ありがち」
な設定、構成に、新しい要素、意外なアクセントとして絡んで
くるのが面白い。

ヒロインのように生来(幼少時より)歌がうまい人は、自然と
音楽に接し、そのまま伸びたり、あるいは何らかの「越えるもの」
にぶつかったりもするだろうが、
ゴリのように、唐突(偶然)に「出会う」ことが、音楽と人間との
ある種のかかわりかたを象徴しているとも言える。
すなわち、歌、音楽は人生を変える、のだ。
少なくとも、「変える力を持っている」と言うことはできるだろう。

プロはもちろん、アマチュアでも、器楽、声楽を問わず、これまで
何らかのかたちで音楽に係わってきた人なら、そのことは
大抵理解できるはずである。
そうしたことを特に感じていない人、理解できない人は、
単に、一定期間に、「その程度」の出会いをしただけ、
「その程度、表面的に触れた程度にすぎなかっただけのこと」
と言っても多分いいと思う。
そういう人にとっては音楽に触れることは、特に特別必要な
ことではなかったのかもしれない。
しかし、そうではなく、少なくないはずの音楽に係わっている、
(あるいは、係わっていた)人ならば、人生において、音楽が
「かけがえのないもの」であることは容易に理解し、感じている
はずだ。


と、まあ、そういうことは一応言えるが、とにかく、
そうした理屈抜きでも楽しめる作品でもある。

この作品に、1つ疑問を置くとすると、祖父役の間寛平さんの
設定は不要かもなあ、と思わなくもないが。
それと、合唱経験者には、高田三郎の「川」とか、
「ちゃんとした合唱シーン(演奏)」も当然あります、という
ことはお伝えしておきます。

とにかく、お薦めです。

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