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2008年2月23日 (土)

幸田浩子さん初アルバム&サイン会

ソプラノの幸田浩子さんの初CDが発売された。
「モーツァルト・アリア集」 (DENON)。
昨年8月にプラハで録音されたもので、制作したコロムビア社の
プロデューサー、N君は大学時代からの友人で、今でも年に、
2~3回くらいは会っていることもあり、楽しみにしていた。

幸田さんは、林美智子さんとの、フィリアホールでのデュオの
コンサートを2006年、2007年と連続して拝聴しているし、
2007年8月には「日伊コンソルソ」記念コンサートにゲスト出演
された折も拝聴している。
そして、今年に入り、1月3日はNHKニューイヤーオペラコンサートを
拝聴したところ。

さて、今日、石丸電気SOFT3館で、発売記念サイン会があった
ので、足を運んだ。当然、N君も会場にいた。
幸田さんに直に接するのは初めてだが、本当に美人。
声ののまま、性格というか、印象も可憐で清潔感があり、
清楚と色っぽさが絶妙にハーモニクスされたような、
とても印象的な人。

私の順番が来て、彼女がCDにサインをし始めたとき、私が
「(このCDの)プロデューサーのN君とは友人なんです」と言うと、
えっ、という、目を丸くして驚いた表情で私を見たので、
すぐ近くにいたN君も私の隣に来て、
「彼もヴァイオリンを弾き、歌も歌います」などと、僭越な紹介を
していただいた。


帰宅後、CDを聴く。可憐で清らかな声なので、十分魅力的。
曲によって、音程(というかフレージングの正確性)で少し「甘い」
部分もあるが、彼女にとって、今後の更なる飛躍における重要な
録音であることは間違いないだろう。

ちょうど数ヶ月前にリリースされた森麻季さんのアルバム、
「ピエ・イエス」の中の2曲、「アレルヤ」を終楽章に置く有名な
モテット「踊れ喜べ、幸いなる魂よ」(エクスルスターテ・ユピラーテ)
(K165)と、ハ短調ミサ(K427)からのアリア、
「聖霊によりて処女マリアより御体を受け」、の2曲は聞き比べが
できることになった。
大理石のような気品とコントロールの完成度という点では、
森麻季さんに分があるが、聴き様によってはやや「冷たく」感じなくも
ない。
その点、幸田さんは少し弱さも感じながらも清楚感と人間的な温かさ
がより表出されていることが興味深い。


幸田さんの「魔笛」からの「復讐の心は炎のように胸に燃え」は、
「夜の女王」のキャラクターからすると可憐な故に「異質」と言える
が、かえって不思議な印象を与え、「夜の女王」って本当は「悪」で
はないのかも、などと想像させるところが面白いし、ドイツ語も子音
に留意したキチンとした歌唱になっている。
惜しいのは、あの目まぐるしく高音高速で行き来するフレーズの
8分音符などは良いのだが、4拍目が16分音符でトリルのような
装飾音的に「回す」ところが、3箇所×2回(繰り返し)=6箇所ある
ところ。その、それぞれ最後の16分音符を「端折りぎみ」になって
いて完璧に歌えていない点。
その部分さえもっと正確なら、ほぼ完璧にして立派な歌唱と言えた。
でも、曲の後半のニ短調、弦が四分音符伴奏しているところを、
声は三連音符で高低行き来するところはとても難しく、その前に
出て終わっている聴かせどころのhigh-Fの部分で成功しても、
この三連音符のソロ部分は不安定になりがちで、実際、外国の
有名な歌手の録音の中にも「そこは、いまいち」な歌唱が少なからず
あるのだが、幸田さんはここは完璧に(違和感無く)見事に三連音符
を伴奏に「乗せて」歌っている。ここだけでも十分実力が判明できる
のだ。
ただ、やはり、幸田さんの声質からいくと、「魔笛」では、夜の女王
より、パミーナがふさわしいのではないか。
こんな素敵なパミーナがいたら、タミーノでなくとも、男なら誰でも
恋してしまうだろう。


などなど、いずれにしても、今後が益々楽しみな優秀な歌手が
どんどん出てきて、また、リサイタルのほか、こうしてCD録音される
ことは、ファンとして嬉しいかぎりだ。

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