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2008年1月30日 (水)

「都ぞ弥生」 格調高き歌

以前、欧州の某地域を旅したとき、憧れていた以上の圧倒的景観に
心を奪われ、言葉を失い、長い間じっと見つめていた風景、場所が
ある。 「死ぬときは、ここに骨を埋めたい」と本気でそう思ったし、
今でもそう思っているが、実際はなかなか難しいことだろう。

どこか、は、誰にも言わないでおこう。

その地は別として、これも多分無理だろうが、国内にも、3年くらいは
暮らしてみたい国内の街、土地がいくつかある。
北から書くと、札幌、盛岡、金沢、京都、萩。


もう、40年ほど前、キング・レコードから「LP」レコードで、
「なつかしの寮歌集」と題して、早大出身の4人のヴォーカルである
ボニー・ジャックスが、旧制高校の寮歌をレーコディングした。
私が入手したのは、それよりずっと後の、多分、1975年前後か
あるいは80年代前半だったと思う。

旧制一高(東大)の「ああ玉杯に花うけて」、
三高(京大)の(逍遥の歌という)「紅もゆる丘の花」や、
寮歌ではないが「妻をめとらば」の出だしで有名な「人を恋うる歌」
などを含む14曲が収められていた。

その中で、最も気に入ったのは、なんといっても、今でも「北大寮歌」
として有名な「都ぞ弥生」である。

赤木顕治作曲、横山芳介という人による格調高い詞が素晴らしい。

1. 都ぞ弥生の雲紫に     花の香(か) 漂う 宴遊の莚(むしろ)
  尽きせぬ奢りに濃き紅や その春暮れては移ろう色の
  夢こそ一時 青き繁みに  燃えなんわが胸 想いを載せて
  星影冴かに 光れる北を 人の世の清き国ぞとあこがれぬ

2. 豊かに稔れる石狩の野に 雁はるばる沈みてゆけば
  羊群声なく牧舎に帰り   手稲の巓(いただき) 黄昏こめぬ
  雄々しく聳ゆる楡(エルム)の梢 打振る野分に破壊(はえ)の葉音の
  さやめく甍(いらか)に 久遠の光 おごそかに 北極星を仰ぐかな

3. 寒月懸れる針葉樹林   橇(そり)の音 凍りて物皆寒く
  野もせに乱るる清白の雪 沈黙(しじま)の暁 霏々(ひひ)として舞う
  ああその朔風 飄々(ひょうひょう)として 荒る吹雪の逆まくを見よ
  ああその蒼空(そうくう) 梢 聯(つら)ねて
  樹氷咲く 壮麗の地をここに見よ


「この格調高き歌詞を見よ」というところだろう。
東北大学出身者が、さとう宗幸さんの「青葉城恋歌」をカラオケで
歌ったりする以上に、「都ぞ弥生」は直接的に「北大生の歌」だから、
他大学出身者がカラオケで歌うことはまず無いだろう。
(だいたい、曲自体、知らないだろうし)


バブル前後のころ、丸の内、すなわち銀座に歩いていけるところに
あった証券会社に長く在職していて、部署単位では、月1くらいは
東京駅周辺等の近場の居酒屋で酒席があった。
そして、たまにというか、ごく稀に、
「部長、最近、銀座、行ってないっスよねえ・・・」などと、冗談半分
で、「おねだり」して、何回か連れていっていただいたこともあった。

もちろん、「銀座」といっても、当時も(多分)今も「ピン・キリ」で、
行くときは大抵、「普通の小さなバー」か、今はもう無いらしい、
ドイツ語の歌などを聞かせてくれる、(「ライオン」ではないが、
「ライオン」のように歌手の卵等が「出勤」している)店などが主な
場所だった。

ただ、1回だけ、どういう事情かは忘れたが、「見るからに高そう」な
店に連れていっていただいたことがあった。
女性の「レベル」もちょっと「違った」。
いわゆる「いい女系」の、ちょっと当時の私のような「若造」には
「場違いな」感すら覚える店だった。

カラオケはあり、曲集アルバムを見ていると、驚いたことに、
「旧制高校の寮歌集」もあったのだ。
あのとき一度だけ、「都ぞ弥生」を歌った。
いや、北大出身者じゃないから、「歌わせていただいた」。


何故、そういう曲が入ったディスクがあったか、が肝心なのだ。
要するに、そういう「高級店」には、財界の「お偉い」さんが来店
する。その中には当然のように旧帝大生というか、国立大学
出身者も多いことから、そういうことに、ちゃんと「備えて」いる
のである。
だから、そういう店のホステスは、驚いたことに、日本経済新聞を
「必読」としている。そういう経済の話に「ついていける」ために。
従って、申し訳ないが、一般の主婦より、と言ったら失礼だが、
「普通のOL」よりはもちろん、もしかしたら、経済学部の学生よりも
マクロ的な「日本経済」には詳しい人が、そうした店のホステスさん
の中には多く存在しているかもしれない。

もちろん、そういう店は銀座といっても、ごく少数、例外的であろう。
多分、バーやクラブが銀座に(あの頃よりは相当減ったとはいえ)
何千あるのか知らないが、そういう「高級店」は、1%も無いだろう。

清らかで雄々しく格調高い歌と、銀座の高級クラブ、という、
今思えば、その「ギャップ」が、ちょっと「面白い思い出」となって
いる。

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