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2007年11月25日 (日)

ベーゼンドルファー(社)。個性と経営

オーストリアの名門ピアノ・メーカーが経営難から同業他社に売却
されようとしている。ヤマハか、現地のブロドマン社が有力らしい。

1828年設立。職人1人につき1台という単位で手作り生産されて
きたが、最近は年間200台くらいの販売に落ち込み、経営難だった
とのことだ。

ピアノに特に詳しいわけではないが、プロのピアニストが使用する
ピアノは恐らく90%はスタインウェイではないだろうか。
スタインウェイ社のものは多分、鋼鉄のような強靭さと、機能性等
で多くのピアニストに愛用されているのだろう。
晩年のリヒテルがヤマハを愛用したのは、ごく例外的なことに
属すると言ってよいようだ。

そんな中にあって、ベーゼンドルファーを愛用した代表的な人は
20世紀最大のピアニストの1人でもある、バックハウスだった。
以前、吉田秀和さんは、「ウィルヘルム・バックハウスの抜群の
技術に誰もが言及するが、音の美しさのことはあまり言わない。
でも、彼の弾くピアノの音色はとてもきれいだ」という主旨のことを
どこかに書いていたが、それはもちろんピアノの特性と無関係では
無い。

今、来日中のドレスデンにからめるわけではないのだが、
スタインウェイを、鋼鉄でビフテキのようなエネルギーと抜群の
運動神経を持つアスリート的なオケであるベルリン・フィルに例え
るとしたら、ベーゼンドルファーは、もう少し繊細で気品と気高さの
ある、人間的にも魅力的な愛すべき美男子、とでもいうような
ドレスデン・シュターツカペレのオケに似ている、とでも言えるような
気もしないではない。

いずれにしても、どの社が経営に乗り出すにしても、これまでの
ベーゼンドルファーの個性のあるピアノ作りを捨てないで欲しい。
「第2のスタインウェイ」なんて誰も欲しがらないと思う。

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