« 見ごたえあった「点と線」 | トップページ | 演出家「不在」の時代 »

2007年11月26日 (月)

NOVAの失敗にみる 内部統制の重要性

「駅前留学」のNOVAが、オーナー社長のワンマン経営のために
経営破綻、実質的に倒産した。
この27日をもって「上場廃止」になる。
私は株主ではないが、同社の株主においても「怒り心頭」だろう。
そして、まずさしあたっては、生徒と教師の金銭問題が重要な
問題ではあることは言うまでもないが、ここでは状況も判らない
こともあるから、違う観点から考えてみたい。

今年(予定より2週間遅れて)開示した、07年4~6月における連結
業績では、かろうじて「債務超過にはなっていない」とされた。

(1)しかし、同社の会計監査人であるアクティブ監査法人からは、
  既にその疑いを持ち、監査役とともに全国の教室の実態調査に
  乗り出したというが、結局、「現場の混乱」もあり、全体像を掴み
  きれず、いわば「見切り発車」のようにして、四半期決算の開示
  に踏み切った、という。
  ここではまず、

  ①きちんとした、データはないのか?という、極めて初歩的で
   経理問題と言うのも気恥ずかしいような、会計処理問題の
   ズサンさ、不徹底な内部事情が見えてくる。
   この「IT化時代」に、まさか紙の処理だけで経理処理をして
   いるのだろうか?

  ②それから、会計監査人の能力の問題。
   「粉飾問題」等の企業の不祥事が起きるたびに、
   「監査法人って、何やってたの?」と、いつもこれまた初歩的
   な懐疑を抱かざるを得ないのはなぜか?
   弁護士や医師とともに、もっとも難しい国家試験を通過して
   きた人々に、ときどきだが、そして一部の人たちには違いない
   のだろうが、「どのくらい「能力」があるのか?」という
   「素人疑問」を抱かざる得ない場面が多すぎる。今回もそう。
   このことはいつか別途書いてみたいと思っている。

  ③そして、監査役の問題。「ワンマン社長」だから対応が難し
   かったことは想像に難くないが、でも、「責任は100%ある」。

(2)次いで、他の3人の取締役の責任。
  保全管理人いわく、「ワンマン社長ゆえ、3人には経営判断
  するだけの権限や情報がなかった」と説明しているが、
  では、「取締役って何?」
  すくなくとも「暴走」を止めて軌道修正するという役割は果たせ
  なかったわけで、「失格」=「ただの置物」。
  これでは、出資している株主は「たまったものではない」。
  この3人についても、「責任は100%ある」。

[別途、インサイダー疑惑]
  更に、その、遅まきながら「解任」された猿橋(さはし)前社長
  の株式が一部不明となっているらしく、どこかで事前に
  「売り抜けた」という、インサイダー取引違反容疑も持たれて
  いるようだ。ありそうなことだ。やれやれ。「小物」め。

(3)前述とも関連するが、開示等について、同社の上場取引所で
  ある、ジャスダック証券取引所は、同社に「いろいろと」指導
  してきたというし、「改善報告書」の提出を求め、それを不十分
  として再度、提出を求めたのはよいが、それを「受理」してから
  なんと1週間後に、NOVA社は大阪地裁に会社更生法の適用
  を申請したのだ。
  証券取引所の指導や「監視」の甘さにも問題はあると言えよう。


以上のように、取締役、監査役、監査法人、という、極めて重要な
「チェック機関」が全く機能しておらず、伝票等、経理上のデータも
整備されていない、という、「上場会社として元々資格が無い状態」
であった会社と、それを許していた証券取引所。

これから、全ての上場会社の課せられている「内部統制システム」
の、「おそまつな会社の例」を見るにつけ、その重要性をあらためて
感じるしだいである。

« 見ごたえあった「点と線」 | トップページ | 演出家「不在」の時代 »

ブログ HomePage

Amazon DVD

Amazon 本

最近のコメント

最近のトラックバック