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2007年3月29日 (木)

議長不信任動議可決

昨日28日、某D社の定時株主総会を見に行く。
勉強のために2年程前に失礼ながら安価な株価だから、との
理由で買ってあった。業績は相変わらず悪いし、
株価も下降線のままだが、1株だし、目的がそういうことだから、
その点は全然気にしていない。
もっとも、大株主はそうはいかないだろう。今日も会場には、
第4位と第9位の個人の株主が来ていて、「総会屋じゃないです」
と断りながら、大きな声で(不規則発言も含めて)さかんに
発言していた。
たぶん、来場していたほかの個人株主は、私を含めて当初は
割と冷ややかにそのやり取りを聞いていたに違いない。
だが、会場の空気が変わった瞬間があった。
それは、その2人のうちの1人が、以前、議長である社長を個別に
訪問した際、「(社長業は大変だから)実はやめたい」と吐露した
ということ、そして、赤字が続いて株価が暴落して株主に迷惑を
かけているにもかかわらず、社長の年収は2,600万円である
ことを会場に紹介したときだ。

しかし、こうしたこととは別に、質疑応答のときに出された議長に
対する「不信任動議」の取り扱いについて、会社側の対応で
大きなミスがあったことこそ問題だった。
専門的な話になるので詳細は避けるが、議案に対する動議では
なくて、議長のその場の采配等に係るクレームについては、
会社贔屓の(与党的な)
「少しの拍手だけでそれで良しとして否決してはいけい」ので
あって、基本的にその場に出席している人の持株数における
賛否で決しなければならない。
事前に会社が入手している議決権行使書による賛成票は議案に
係るもので、そこでの賛成票が多くても、当日に提出された
「手続きに関する動議」の賛否には無関係なのである。
ただ、実はそれでも普通、それが株主提案のとおり可決することは
まず無い。というのは、会社は通常、
「動議対応を含めた会社側に一任(賛成)する旨の白紙委任状」
いわゆる包括委任状を与党の大株主から確保しておくのが常
だからなのだ。でも、この場では、少なくともその点の説明が
なされないまま強引に「否決」されてしまった。

私と同じく、他社で総会運営に関する仕事をしている個人株主
から疑義が出されたが、彼はむしろその点よりも、社長の道義的
低レベルさ、経営に対する無責任さを攻めることに発言を置いた。

それでは、ということで、私が発言。
(当社は発言するつもりは無かった。なんせ議事運営を見物に来て
 いるだけだから)
「議長は先ほどの動議(の処理)は終わった、完結した、と
 おっしゃった。2人の大株主と先ほどの他社で総会運営に携わる
 株主は「終わっていない」と言っている。
 そう、完結はしていません。そこにいる事務局なら解ると思います
 が(として、先述の動議の種類による対処方法の違いと、
 議長判断の間違いを指摘)、ニュートラルな立場から見ても、
 あの対処方法ではダメです。もう一度、議場にお諮りいただけ
 ませんか?」、と提案。

議長は素直に「わかりました」として再度議場に挙手を求めた
ところ、なんと8割が不信任に賛成として挙手(「空気が
変わっていた」という背景があった)。
でも、先述のとおり、包括委任状があるだろうから、
否決は否決だろうな、と私は「安心?」していた。
私はただ仕事柄、手続き上のいいかげんさが許せなかった、
ということによる提言にすぎなかったのだから。
ところがナント包括委任状は無かったようで、不信任動議は
「可決」してしまい、個人大株主狂喜乱舞よろしく、議長交代
(次席の取締役に交代)という、まずめったにお目にかかれない
「あり得ない」事態に発展してしまった。
キッカケを作ったのは私、という、何だか妙なことになったが、
何よりもこの展開に一番驚いたのは私自身だ。

幸い、交代した取締役が立派にその後を運営したので、この後は
比較的スムーズに終結に至った。

議長(社長)も迂闊ではあるが、それを支えなければならない
ところの「事務局」が勉強不足と言わざるを得ない。
言ってみれば事務的なミスに過ぎないのだ。
でも、根本はやはり、誠意をもって総会、というより経営に臨んで
いないかもしれない経営者のそのマインドに最大の原因、過失が
あったのではないか、最終的にはそこに帰結するのではないか、
とも言えるのかもしれない。
「上場会社の経営恐るべし」である。
いろいろな会社、50社くらいの株主総会を、20年間、見てきた私
でも、「アッと驚く」実に印象的な株主総会だった。

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