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2006年10月24日 (火)

ストックオプションの功罪

ストックオプションで得た利益に係る税金(納税)の問題で、最高裁判所が「過少申告加算税を課したのは違法」との判断を示した。関係の無い人には「?」だと思うし、私も税金そのものについてはそれほど詳しくないので、判決自体のコメントはできない。「まあ、そうだろうな」くらいしか言えない。
要するに、国税当局もその益が「一時所得」なのか「給与所得」なのか、判断が「ゆれて」きた経緯がある。この点も興味や関係の無い人にはまだ「?」と思うし、別にそれでいいです。
1990年代の後半、ソニーやソフトバンクら一部の企業が、アメリカで広くひろがったインセンティブ、要するに役員社員、利益貢献した人には「ご褒美」をあげるよ、として、株式市場のテクニックを利用して自社の株式売却利益が得られるような「たなぼた構造」を導入した。それがどんどん広がり、株式上場をめざす企業は当たり前のように取り入れ、「上場後のご褒美」として今日に至っている。
それ自体、役社員の士気を鼓舞するというプラス面が当然あり、効力はある。だが、それだけか?
それが付与される対象者やその株数自体、社内的にもどのくらい公平性、透明性があるかは判断が難しいのが実態ではないか?しかも(ここが一番重要なのだが)「企業へのロイヤリティ(貢献精神)」という点でも必ずしもプラスとばかりは言えない現象が少なからぬ企業に生じている点も否めないのではないか?
要するに「特別ボーナス」もらったから「やめます(退職します)」として、転職あるいは独立(起業)して会社を去る人もいる、ということは昨今問題にもなっている。
起業自体はおめでたいことだ。むしろ称えたり応援すべきことだろう。でも、それまで「可愛がって」高給で処してきたオーナーからしたら、やはり「ある種の裏切り」でもあるということも事実だろう。
それから、ここ1~2年くらい言われている「格差」(社会)の問題。実は結果的にではあるが、ストックオプションの流行も結果的にではあるにせよ、「格差」(の発生)に寄与していることは否めない事実だ。株式市場のメカを利用するということだけで、言葉は悪いが相当数の「成金」者が誕生している。10年以上前ならありえない現象で、自分の実力だけで冨を得たと「勘違い」する人々が登場してもおかしくはないのである。もちろん全て否定する気はないが。比較的若い女性や既婚女性でも起業して成功したり、この制度の恩恵にあずかった人なら、相当な「貯金」を得ているわけだ。

ストックオプションの功罪、というタイトルは、実はあまりにも大きな問題を内包しているので、とりあえず今回はここまでとしたい。ようするに、IPO(株式公開、要するに上場)の問題、とか、起業、あるいは企業とは、とか、経営とは何か、とかまで行ってしまう。経営そのものよりも株式市場のメカを我が物にして、あたかも新しい経営者像のように本人も外部も錯覚したのがホリエモン騒動だったのだ。

またいつか後日、こんにち(昨今)のIPOに見られる問題点・・・なぜ公開時だけ株価が上がって、しばらくすると下げに転じてそれが続いているのか、そういう企業が多いのか、という点も含み、論じてみたい。これは論点をまとめるのは大変な労力がいるので、すこし時間をいただきたい。

あと余談ですが、やはり10年くらい前から拡がりだした「執行役員制度」もソニーが流行らせたもの。また、そのような「厳密には法定ではないマガイ物」とは別に、公的に導入されている「委員会設置会社」という制度もソニーを中心とした「アメリカナイズ様様」よろしくの企業が導入したものだ。
もっともこれらの点は先述の問題点とはまた少し違う論点になるので、このことは直接後日触れないかもしれません。今の(最後の)点はあくまでもご参考まで。

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